NTT西日本は2023年5月22日、日本マイクロソフトと協業し、地方自治体と地域ベンダーのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進すると発表した。自治体システムのクラウド化を支援するほか、生成AIを活用した問い合わせ対応パッケージシステムを開発して提供する。デジタル人材の育成も支援する。
NTT西日本は、日本マイクロソフトと協業し、地方自治体と地域ベンダーのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。自治体システムのクラウド化を支援するほか、生成AIを活用した問い合わせ対応パッケージシステムを開発して提供する。デジタル人材の育成も支援する。
まず、自治体システムのクラウド化をトータルで支援する(図1)。2025年度の自治体情報システムの標準化対応のほか、標準化対象外の業務を含めて、コンサルティングからクラウドの導入、サポート、ネットワーク接続、セキュリティまで、自治体の需要を満たす各種サービスを総合的に提供する。
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コンサルティングでは、各自治体業務の現状調査から、課題を解決するためのシステム構成の検討、自治体間の共同化検討・合意形成などを実施する。加えて、現状調査で明らかになった業務上の課題を解決するための自治体向け製品・サービスを提供する。クラウド導入支援では、ガバメントクラウドへのリフト&シフトの支援などを実施する。
デジタル人材の育成と、外部人材の活用支援も実施する。NTT西日本の共創拠点「LINKSPARK」などを利用して、顧客の課題に沿ったDXを推進する。求められる人材像や育成計画の策定、DXの実践・実装まで実施する。また、「LINKSPARK OSAKA」内に新たに「Microsoft Base」を開設し、NTT西日本と日本マイクロソフトで連携しながら地方自治体や地域ベンダーのデジタル人材の育成に取り組む。
このほか、現在準備中の取り組みとして、生成AIを活用した問い合わせ対応パッケージシステムを開発して提供する。多様かつ複雑な問い合わせにも対応可能なシステムを、コンサルから導入、サポートまでパッケージ化する。「窓口で扱う事務の制度や仕組みが多様化している。職員は膨大なマニュアルの理解と、ミスのない対応を求められている」(NTT西日本)。
自治体業務を代行するBPOサービスの提供も準備している(図2)。ローコード開発ツール、RPA、生成AIなどを活用して、生産性の向上と業務効率化を支援する。各自治体は、人的資源を相談業務などの行政サービスに集中させられる。
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「企業や地方自治体でDXの必要性が高まる一方、地方自治体ではITに精通した専門職員が不足している。クラウドサービスの導入やDX推進に関わる事業者からの、手厚いコンサルティングやサポートが求められている」(NTT西日本)
なお、日本マイクロソフトは、2014年2月にクラウドデータセンターの日本リージョンとして2リージョン(東日本と西日本)を設置し、それ以降、キャパシティ(提供能力)を拡充している。2022年10月にはデジタル庁がAzureをガバメントクラウドとして認定している。