[事例ニュース]
大成建設、工事のビッグデータをリアルタイムに活用可能なデータ基盤を内製開発
2023年5月24日(水)IT Leaders編集部
大成建設(本社:東京都新宿区)は、大量に蓄積した図面や3Dモデルなどの工事関連のデータをリアルタイムに活用可能なシステム環境を内製で構築した。クラウド上に構築したデータ管理基盤とレガシーシステムをAPIで連携させている。API連携ツールとして米ワーカートのiPaaS/ワークフロー自動化ツール「Workato」を採用し、1~2週間という短期間でAPI連携を図った。Workatoの導入を支援した日立ソリューションズが2023年5月22日に発表した。
大成建設は、蓄積したビッグデータ(図面や3Dモデルなどの工事情報)をリアルタイムに活用可能なシステムを内製で構築した。クラウド上に構築したデータ管理基盤と、4つのレガシーシステムを、APIで連携させた(図1)。
拡大画像表示
API連携のためのツールとして、米ワーカートのiPaaS(Integration Platform as a Service)/ワークフロー自動化ツールの「Workato」を採用した。「従来なら業務フローの設計とAPI開発に数カ月かかっていたところ、Workatoでは1~2週間でのスピード開発が可能」(IT子会社の大成情報システム)としている。
大成建設は、図面や3Dモデル・写真などの工事情報を保管した基幹システムを刷新し、これらの情報を活用するためのデータ管理基盤をMicrosoft Azure上に構築していた。しかし、APIを持たない既存の4つのレガシーシステムとの連携の課題が浮上。リアルタイムにデータを活用するためにはAPI連携が必須だが、APIの開発には数カ月の期間と技術者の増員が必要だった。
そこで、ノーコード/ローコードでAPI連携を実現可能なWorkatoを導入した。これにより、技術者を増員することなく、データ管理基盤とレガシーシステムを短期間で連携させた。開発の内製化も進めており、Workatoによる業務フローの自動化にも着手した。
なお、Workatoは、自動で実行する業務フローの中で、SalesforceのCRM(顧客関係管理)サービスといった外部のクラウドサービスにコネクタを介して接続しデータを取得する。SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットツールと連携し、業務フローの途中で人に判断を仰ぐことも可能である(関連記事:日立ソリューションズ、チャットで人の判断を仰げるワークフロー自動化ソフト「Workato」を販売)。