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カナダグースジャパン、設立に合わせて会計システムを7カ月で構築、Dynamics 365のテンプレートを活用

2023年5月31日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アパレル企業のカナダグースジャパン(本社:東京都渋谷区)は、2022年4月の設立に合わせて、会計システムを7カ月間で構築し、稼働させた。さらに、その後の3カ月間で販売・購買・在庫管理システムを構築し、同年7月に稼働開始した。システム基盤には「Microsoft Dynamics 365(Finance/Supply Chain Management)」を採用した。短期構築のポイントの1つとして、日立ソリューションズのテンプレートを適用した。日立ソリューションズが2023年5月31日に発表した。

 カナダのアパレルメーカー、カナダグース(Canada Goose)日本法人のカナダグースジャパンは、2022年4月の設立に合わせて、会計システムを7カ月間で構築した。その後の3カ月間で販売・購買・在庫管理システムを構築し、同年7月に稼働開始した。システム基盤に「Microsoft Dynamics 365(Finance/Supply Chain Management)」を採用した。

 同社の設立が決まった時期は2021年春であり、事業を開始する2022年4月までに基幹システムを立ち上げる必要があった。また、出資企業であるカナダグース本社は米国に上場しているため、会計システムとレポートが国際会計基準(IFRS)と米国の内部統制基準(SOC)に適合することが条件だった。さらに、今後必要に応じてEC(電子商取引)機能などを追加できることも必要だった。

 短期にシステムを構築するため、Microsoft Dynamics 365の導入においては、カスタマイズを極力行わずにパッケージの標準機能を生かす「Fit to Standard」方式を採用した。さらに、日立ソリューションズのテンプレートを適用した。マスターデータは、日立ソリューションズが用意したデータ変換用マクロを使ってDynamics 365にインポートした。

 国際会計基準(IFRS)と米国の内部統制基準(SOC)に適合したシステムを構築することで、管理精度を高め、カナダにおける監査の承認を得た。海外展開や合弁会社設立といったグローバル展開においても、出資会社のカナダグースの基準で経営判断を図れるとしている。

 利用したテンプレートの1つ「グローバル製造業向け会計テンプレート for Microsoft Dynamics 365」は、大量伝票の一括登録、取引先別の入出金金額集計、締め単位の決済条件変更といった日系企業必須の要件をDynamics 365上で実現する。また、汎用データ出力機能、相殺入力、外貨再評価機能を備える。

 利用したテンプレートの1つ「グローバル製造業向けSCMテンプレート for Microsoft Dynamics 365」は、商流別の価格・請求先の設定、外部の製造・検査システムとの実績連携など、日系製造業でニーズが高いものの標準では実装されていない機能をカバーする。

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Dynamics 365 / 会計 / アパレル / IFRS / カナダ / ファッション / 製造 / 日立ソリューションズ

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