NECは2023年6月12日、クラウド型ストレージサービス「NEC Cloud Storage(St)」を提供開始した。パブリッククラウドやオンプレミスとの間でデータを頻繁にやり取りする使い方を想定した機能や料金体系を採用した。例えば、データを出し入れしてもコストがかからず、契約容量に応じた月額固定料金である。パブリッククラウドとは閉域網で接続している。データバックアップソフトウェアなどを動かすための仮想サーバー(IaaS)機能も提供する。国内ユーザーを対象に国内データセンターでサービスを提供する。
NECの「NEC Cloud Storage(St)」は、クラウド型のストレージサービスである(図1)。パブリッククラウドやオンプレミスとの間でデータを頻繁にやり取りする使い方を想定し、このための機能や料金体系を採用した。主な用途として、分散しているデータを集約してデータレイクに格納する使い方や、バックアップデータを保管する使い方などを想定している。
ストレージ機能の特徴は、データを出し入れしてもコストがかからず、契約容量に応じた月額固定料金を採用したこと。こうした特徴により、ストレージにかかるコストを事前に把握可能である。計算外のコストが発生することがない。
ストレージ機能は、ブロック(iSCSI)、ファイル(NFS)、オブジェクト(Amazon S3互換)の各ストレージ機能を提供する。iSCIブロックストレージのIOPS性能を抑えたアーカイブ用途の低価格ストレージも用意している。
パブリッククラウド接続については、各種クラウドサービスと閉域網で接続可能である(2023年6月現在はMicrosoft Azureに限る)。Azureへの接続帯域は、最小構成が100M bit/sで、最大構成は10G bit/sである。
コンピュート機能(仮想サーバー)は、サーバー共有型で、指定したリソース量(CPU、メモリー、OS/ソフトウェア用ブロックストレージ)に応じて課金する。リソースごとに上限を設定可能であり、メモリーであれば1GB単位で設定できる。
仮想サーバー上で動作させるアプリケーションとして、データバックアップソフトウェア「Veeam Backup&Replication Enterprise Plus」のライセンスも提供する。
データは、国内(NECのクラウドHubデータセンター「NEC印西データセンター」)で保存・管理し、国内ユーザーに向けて提供する。これにより、外国の法令によるデータ開示要求の影響を受けにくいデータ保管を実現可能である。