インターネットイニシアティブ(IIJ)は2023年9月13日、10ギガビットEthernet対応エッジルーター「SEIL(ザイル)アプライアンスシリーズ CA10」を発表した。同年9月28日から提供する。NTT東西のフレッツ光クロス(最大10Gbit/s)などの広帯域回線を利用可能である。クラウド利用の拡大などでトラフィックが増大している企業の拠点間ネットワーク接続に向く。
IIJの「SEILアプライアンスシリーズ CA10」(写真1)は、企業のネットワークをインターネットなどの広域網に接続するためのエッジルーター(アクセスルーター)機器である。10Gbit/sのネットワークポート(10GBASE-T)を2個搭載し、NTT東西のフレッツ光クロス(最大10Gbit/s)などの広帯域回線を利用できる。
企業の拠点間ネットワーク接続に向く。「Microsoft 365など各種クラウドサービスの業務利用が進み、リモートワークが普及したことで、企業ネットワークのトラフィックが大きく増加している。拠点間ネットワークの回線の増強と、ネットワーク機器の広帯域対応が急務である」(IIJ)ことから同製品を提供する。
10GをWANとLANに割り当てることで、最大10Gbit/sのネットワークを構築可能である。ほかにも、エッジルーターに必要な機能群(IPv4/IPv6デュアルスタック、IPv6 IPoE、DS-Lite、ファイアウォール、IPsecなど)を備える。データ転送性能は最大18Gbit/sで、VPN接続時の性能は最大6Gbit/sとなっている(図1)。
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運用管理面では、拠点に到着した機器をネットワークに接続するだけで、クラウドから遠隔で設定を自動反映する。このためのネットワーク管理サービス「IIJマルチプロダクトコントローラサービス」と、ルーター機器の集中管理サービス「SACM」(Service Adapter Control Manager)に対応する。
インターネットブレイクアウトの運用を容易にする「IIJクラウドナビゲーションデータベース」が利用できる(関連記事:IIJ、特定SaaSのあて先情報をローカルブレイクアウト用に配信する「IIJクラウドナビゲーションデータベース」)。
Microsoft 365やWindows Update、Google Workspaceなどの特定SaaSあての通信をインターネット回線に迂回し、拠点間接続ネットワークの負荷を軽減する。同機能を使うためにはIIJマルチプロダクトコントローラサービスの契約が別途必要である。
価格(税別)はオープン。IIJマルチプロダクトコントローラサービス/マネージメントのサービス利用料は、初期費用が1台あたり3000円、月額費用が1台あたり3000円。