[調査・レポート]

国内中堅・中小企業のERP製品シェア、大塚商会、富士通、SAPが3強─ノークリサーチ

2023年10月10日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ノークリサーチは2023年10月10日、国内の中堅・中小企業におけるERP製品・サービスのシェアなどを調査した結果を発表した。導入済みのERP製品は、大塚商会の「SMILEシリーズ(V/BS/Air)」、富士通の「GLOVIA smart/iZ/SUMMIT」、SAPジャパンの「SAP ERP/SAP Business All‐in‐One(A-One)/SAP Business One(B-One)」がトップ3となった。

 ノークリサーチは、国内の中堅・中小企業(年商500億円未満)におけるERP製品・サービスのシェアなどを調査した結果を発表した。同社の「2023年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」から抜粋して紹介している。

 図1は導入済みのERP製品・サービスである(複数回答)。大塚商会の「SMILEシリーズ(V/BS/Air)」が37.0%、富士通の「GLOVIA smart/iZ/SUMMIT」が28.8%、SAPジャパンの「SAP ERP/SAP Business All‐in‐One(A-One)/SAP Business One(B-One)」が16.6%でトップ3を形成している。この顔ぶれは去年の調査から変動がない(関連記事中堅・中小企業向けERPのシェア、トップ3にSMILE、GLOVIA、SAP ERP/A-One─ノークリサーチ

図1:中堅・中小企業が導入済みのERP製品(複数回答可)(出典:ノークリサーチ)
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 ノークリサーチは製品シェア1位のSMILEシリーズについて、大塚商会が自動化機能の実装や情報系との統合などを通じて首位の位置を固めつつあるとした。2位のGLOVIA smartは、富士通グループの再編に伴い、中堅・中小企業向けERPの開発が今後どうなっていくのかが焦点になるとしている。

 3位のSAP ERP/SAP A-Oneと4位のSAP B-Oneについては、2027年のサポート終了に向けてA-Oneのシェアが減少している一方、SAPジャパンのパートナー各社がB-Oneを販売し、中堅・中小向けの導入支援施策「Grow with SAP」を展開している。Grow with SAPについては、「現段階で大きな存在感を示す段階には至っていない」(同社)という。

必要な業務モジュールが揃っていることを求める

 調査では、ERP製品・サービスに今後必要と考える機能についても尋ねている。このうち、機能の数や各機能の連携についての回答状況を「導入済み」と「導入予定(新規予定)」のユーザーで比較した結果が図2である。

図2:ERP製品/サービスに今後必要と考える機能(出典:ノークリサーチ)
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 導入済みと導入予定(新規予定)で大きな差が付いた項目が「必要な業務分野のモジュールがすべて揃っている」である。「今後は会計、販売、人事/給与など各モジュールが揃っていることが重要になる」(同社)。

 ノークリサーチは、「共通系の基幹業務の機能を一とおり揃えることはERPとしては当然のことだが、昨今では一部の業務しかカバーしていない状態でもクラウドERPとしてアピールするケースもある。こうした現象に対する反動と捉えることもできる」と指摘する。

 また、Microsoft Teams、Zoom、WebexなどのWeb会議システムとERPの連携については、「Web会議の画面上でERPのデータを参照/共有するだけは不十分で、ユーザーは業務フローを絡めた形での連携を求めている」(同社)という。

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