一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は2023年10月11日、同月10日午前より生じている全国銀行データ通信システム(全銀システム)の不具合について現状を報告した。全銀システムを利用する11の銀行・金融機関で他行宛の振込取引が行えない、もしくは遅延するトラブルが続いているが、同日午前11時時点において上記事象の解消の目途は立っていないという。
全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する全国銀行データ通信システム(全銀システム)の不具合は、3連休明けとなる2023年10月10日午前に発生した。全銀システムと各銀行・金融機関を結ぶシステムの不具合により、11の銀行・金融機関で他行宛の振込取引が行えない、もしくは遅延するトラブルに見舞われている。対象の銀行・金融機関は以下のとおり。
三菱UFJ銀行
りそな銀行
埼玉りそな銀行
関西みらい銀行
山口銀行
北九州銀行
三菱UFJ信託銀行
日本カストディ銀行
JPモルガン・チェース銀行(注1)
もみじ銀行
商工組合中央金庫
注1:JPモルガン・チェース銀行は当初、システム障害の影響が及んだ金融機関として発表されていたが、全銀ネットは10月12日に、同行については「コアタイムシステムの取引において影響がなかったことを確認した」とした(2023年10月12日 8:50 更新)。
全銀ネットのプレスリリースページで状況を報告している。全銀ネットによると、10月10日から11日の夜間にかけてシステムの復旧に向けた対応を実施したが、11日午前11時時点において、不具合解消の目途は立っていないという。11日のコアタイムシステムの通信開始時間(午前8時30分)以降もバックアップ手段を用いて振込取引の処理にあたっているが、前日同様に上記銀行・金融機関における他行宛の振込取引が通常よりも遅延する事象が発生することが考えられると説明している。
なお、夜間の振込に対応する「モアタイムシステム」や、今回の不具合の影響のない銀行・金融機関間での振込取引は通常どおり利用できる。
[2023年10月12日 8:50 更新]
全銀ネットは10月12日、全銀システムの不具合について同日未明に復旧に向けた対応が完了し、同日のコアタイムシステムの通信開始時刻(午前8時30分)から、上記銀行における他行宛の振込取引を通常どおり利用できる見込みであると発表した。
[2023年10月12日 10:30 更新]
全銀ネットは同日午前9時、システム障害について復旧作業が完了したことを発表した。同日のコアタイムシステムの通信開始時刻(午前8時30分)から他行宛の振込取引の稼働状況をモニタリングした結果、午前9時時点において問題なく稼働していることを確認したという(関連記事:全銀ネットのシステム障害が復旧、他行宛の振込取引が通常利用可能に)。