横河電機とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2023年11月15日、横河電機の製造管理ソフトウェアパッケージ「CIMVisionPharms」の「クラウド対応版」を販売開始した。医薬品製造(固形製剤・注射製剤)における工場での製剤から包装までの秤量を含む各工程を支援する。横河電機とNTT Comが共同で開発してきた「共同利用型OTクラウドサービス」の最初の製品で、横河電機の制御事業ブランド「OpreX Asset Operations and Optimization」の下で提供する。
横河電機の「CIMVisionPharms」は、医薬品製造(固形製剤・注射製剤)における工場での製剤から包装までの秤量を含む各工程を支援するMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)である。
国際的な医薬品査察協定および医薬品査察協同スキームであるPIC/Sの「GMP(安全で効果的な医薬品・食品を生産するための製造・品質管理に関する基準)」に準拠している。GMPが定める「組織の責任階層によるアクセス制限管理電子記録・電子署名規則」(厚生労働省のER/ES指針)への対応など、医薬品製造の現場に対して詳細な指示を行えるとしている。
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今回提供開始した「クラウド対応版」は、横河電機とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が共同で取り組む「共同利用型OTクラウドサービス」プロジェクトの最初の製品である。両社は2021年10月に同プロジェクトの共同開発・提供に関する業務提携を締結している。横河電機の制御事業ブランド「OpreX Asset Operations and Optimization」の下で提供する(図1)。
クラウド対応版は、NTT Comの「Smart Data Platform」を稼働基盤にしてデータ収集・蓄積・管理・分析機能を提供する。横河電機がサービスの販売とアプリケーションの構築・保守運用を担当し、NTT Comがクラウド、サーバー、ネットワークの構築・保守運用を担当する。
両社は、横河電機が販売する他の製造業界向けMESパッケージや生産制御システム(プラント制御・運転監視)のクラウドサービス化についても検討していく。