アイ・ティ・アール(ITR)は2024年2月13日、国内のローコード/ノーコード開発市場における規模の推移と予測を発表した。2022年度の売上金額は前年度比16.0%増の709億4000万円で、市場を構成するベンダーの大半が売上金額を伸ばしている。特に市場において大きな影響力を持つ上位ベンダーを含んだ6割超のベンダーで2ケタ以上の成長率だったことが要因としている。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のローコード/ノーコード開発市場における規模の推移と予測を発表した。2022年度の売上金額は前年度比16.0%増の709億4000万円で、市場を構成するベンダーの大半が売上金額を伸ばしている。た(図1)。
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「ローコード/ノーコード開発は、業務アプリケーションを迅速に開発するためのツールとして認知度が向上している。今後も業務改革などの推進に伴い、導入の拡大が見込まれる」(ITR)
同市場を提供形態別に見ると、主に基幹システム周辺のシステム開発の効率化や迅速化を目的として導入する「パッケージ」は、大企業を中心に導入に一巡感が見え始めている。「クラウドサービスへの移行も進み始めていることから、一定の需要はあるものの、今後の大幅な市場の拡大は期待できない」(同社)。
一方、クラウドサービスは、一部ベンダーのマーケティング施策によって認知が拡大しているほか、クラウドサービスを主力に据えるベンダーも増えていることから、中堅・中小企業をメインとした未導入企業での導入が期待できるという。これらのことから、同市場のCAGR(年平均成長率、2022~2027年度)は14.0%になり、2025年度には1000億円規模に拡大するとITRは予測している。
「デジタルトランスフォーメーション(DX)に注力して、アプリケーション開発の迅速性や柔軟性を重視する企業が増えている。SIベンダーに依存する開発では十分な迅速性や柔軟性の確保が困難なことから、高スキルのエンジニアを必要としないローコード/ノーコード開発ツールへの期待が高まっている」(ITR)
今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2024」に基づく。同レポートは、ローコード/ノーコード開発市場を対象に、国内25ベンダーへの調査による2021~2022年度売上実績および2027年度までの売上予測を掲載している。