[調査・レポート]

バックオフィス業務のデジタル化で、収集したデータの分析が「できている」は3割─オロ調査

「DXの弊害は職場のホワイト化による働き方の緩み」との回答が22.6%

2024年3月5日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

クラウドERPを提供するオロは2024年3月4日、事務系(バックオフィス系)業務のデジタル化に関する調査結果を発表した。デジタル化が進むバックオフィス業務の1位は「勤怠管理」で41.2%に上る。一方、収集したデータを分析できているかで、「できている」と答えた回答者は30.7%にとどまった。バックオフィス業務のデジタル化を推進するうえでの課題は「一部のシステムが老朽化しているが、移行が難しい」(25.5%)が1位だった。

 クラウドERPベンダーのオロは、事務系(バックオフィス系)業務におけるデジタル化の実態について調査し、この業務分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組み状況と、DXを推進するうえでの課題や弊害を探った。調査は、国内のバックオフィス系業務に携わる会社員1040人を対象に、2023年11月10日・11日にオンラインアンケート形式で実施した。

図1:デジタル化が進むバックオフィス業務(出典:オロ)

 勤務先のバックオフィス業務において、現在どのような業務をデジタル化・システム化しているかを聞いたところ、上位3つは、「勤怠管理」(41.2%)、「給与計算」(36.2%)、「経費精算」(28.3%)だった(図1)。「主に経理や労務に関する業務を対象にデジタル化/システム化が進んでいること、業務処理のルールやパターンが明確な領域においてはシステム化がしやすいことがうかがえる」(オロ)。

 図2は、経営情報(売上・利益・業績管理)を管理する手段を聞いた結果である。「クラウドサービスを業務別に組み合せて利用」(26.3%)や「パッケージERP/クラウドERP」(19.1%)など、経営情報の管理においてもデジタル化が進んでいる。

図2:経営情報の管理手段(出典:オロ)

 図3は、勤務先のバックオフィスのDX推進度をどのように評価しているかを聞いた結果である。「取り組んでおり、とても進んでいる」は7.3%と低く、一方で「取り組みたいが、まったく進んでいない」と「まったく取り組んでいない」を合わせた「取り組みがまったく進まない企業」は合わせて25.9%に上る。

図3:バックオフィスでのDXの取り組み状況(出典:オロ)

 図4は、バックオフィスのDX推進で、収集したデータを分析できているかを聞いた結果である。最多の回答は「できていない」で39.6%を占め、「できている」は30.7%にとどまった。

図4:収集したデータの分析状況(出典:オロ)

●Next:DX推進における課題と弊害

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