日立製作所は2024年3月11日、社内でAWS認定資格の取得を推進し、現在の2000人規模から倍増の4000人規模に拡大すると発表した。AWSジャパンと締結した3年間の戦略的協業契約を締結に基づいている。人材育成を、ユーザー企業のシステムモダナイゼーションとクラウド移行の推進につなげていくとしている。
日立製作所は2021年から、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)と共同で、ミッションクリティカルなハイブリッドクラウドを実現するサービスの開発に注力してきた。
2022年に、日立製ストレージと「Amazon S3」クラウドストレージで横断的にデータを管理する仕組みや、ストレージとAWSの接続パスを冗長化して可用性を高めた仕組みを構築。2023年より、パブリッククラウド連携の中核となるクラウドストレージサービス「Hitachi Virtual Storage Platform on cloud(VSP on cloud)」を提供している(図1)。
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今回、両社は2024年4月から3年間の戦略的協業契約を締結した。生成AIの登場によって需要が高まるデータの統合/活用ニーズに応えるため、ミッションクリティカルシステムのモダナイゼーションとクラウドへの移行を共同で推進していく。
新たな戦略的協業体制の下、日立では社内のAWS認定資格の保有者数を、現在の2000人規模から倍増の4000人規模に拡大する。AWS認定資格を持つ技術者が、システム構築・運用などにおける顧客企業の課題解決を支援する。また、ハードウェアからミドルウェアまで垂直統合した基幹システム向けのサポートサービスをオンプレミス同様、AWS環境でも提供する。
日立の製品・サービスとAWSのクラウドサービス群を組み合わせ、ハイブリッドクラウド環境でのデータ活用を推進する。日立製ストレージとAWS上のVSP on cloudを用いたデータ基盤の運用を効率化・自動化する。
また、レガシーアプリケーション資産とクラウドネイティブ技術が混在する環境において、オンライントランザクション処理の一貫性を確保する分散トランザクション機能「Hitachi Microservices Platform - Paxos Commit Transaction Orchestrator(HMP-PCTO)」の活用を促す(図2)。
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ほかには、SaaS型統合システム運用管理サービス「JP1 Cloud Service」と、AWSの生成AIマネージドサービス「Amazon Bedrock」の連携を計画。システム管理者が生成AIと対話しながら障害発生原因を特定し、対応策を検討できるようにするという。
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