[市場動向]

IBMがHashiCorpを64億ドルで買収、TerraformとAnsibleのシナジー効果などを見込む

2024年4月25日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米IBMと米HashiCorpは2024年4月24日(米国現地時間)、IBMがHashiCorpを1株あたり現金35ドル/企業価値64億ドル(約9900億円)で買収することに合意したと発表した。取引は2024年末までに完了する予定である。HashiCorpの製品群を得ることで、IBMは大きなシナジー効果を見込む。IaC製品分野では「Red Hat Ansible」と「Terraform」を組み合わせることで、ハイブリッドクラウド環境におけるアプリケーションのプロビジョニングと構成を簡素化するとしている。

 米IBMは、米HashiCorp(ハシコープ)を1株あたり現金35米ドル/企業価値64億米ドル(約9900億円)で買収する。取引は2024年末までに完了する予定である。

 HashiCorpの製品群を得ることで、IBMは自社製品との大きなシナジー効果を見込む。例えば、IaC(Infrastructure as Code)製品分野では、OS/ミドルウェア構成管理の「Red Hat Ansible Automation Platform」と、クラウドインフラ構成管理の「HashiCorp Terraform」を組み合わせることで、ハイブリッドクラウド環境におけるアプリケーションのプロビジョニングと構成を簡素化するとしている。

 HashiCorpのユーザーはグローバル4400社以上で、米フォーチュン500(Fortune 500)企業の85%が利用。HashiCorpコミュニティの製品は2024年度に5億回以上ダウンロードされているという。

 主力製品であるTerraformは、IaCのためのミドルウェアである。クラウド環境で調達するサーバーなどの構成をコード化し、プロビジョニングを自動化する。「どこのクラウドサービスで」「どのようなスペックを持つ仮想サーバーやリソースを使うか」といった指定をコードとして記述し、各クラウドに反映してITリソースを調達する(関連記事東京エレクトロン デバイス、「Terraform」「Vault」などのHashiCorp運用管理製品を販売)。

 もう1つの主力製品「HashiCorp Vault」はシステムへのアクセスに必要なパスワードや鍵をネットワーク上で一元管理するサーバーソフトウェアである。アクセスに必要なパスワードや鍵を時間制限付きで発行し、利用後に自動削除する。データベースに入力する個人情報や機密性の高い情報を暗号化する機能も提供する(関連記事HashiCorp、鍵管理クラウド「HCP Vault」をAWS日本リージョンから提供、パスワードを国内に保管可能に)。

関連キーワード

IBM / HashiCorp / M&A / Terraform / IaC / Ansible / 構成管理 / Red Hat

関連記事

トピックス

[Sponsored]

IBMがHashiCorpを64億ドルで買収、TerraformとAnsibleのシナジー効果などを見込む米IBMと米HashiCorpは2024年4月24日(米国現地時間)、IBMがHashiCorpを1株あたり現金35ドル/企業価値64億ドル(約9900億円)で買収することに合意したと発表した。取引は2024年末までに完了する予定である。HashiCorpの製品群を得ることで、IBMは大きなシナジー効果を見込む。IaC製品分野では「Red Hat Ansible」と「Terraform」を組み合わせることで、ハイブリッドクラウド環境におけるアプリケーションのプロビジョニングと構成を簡素化するとしている。

PAGE TOP