マネーフォワードは2024年7月25日、中小企業向け会計サービス「マネーフォワード クラウド会計」でChatGPTとのAPI連携機能を追加した。同機能を「マネーフォワード クラウド 会計 for GPT」アプリとしてマーケットプレイス「GPT Store」より提供する。自然言語での問い合わせから、会計データを基に財務状況を分析し、レポートを生成する。同アプリから、ChatGPTをカスタマイズして作成したツールをGPT Storeで公開できる。
マネーフォワードの「マネーフォワード クラウド会計」は、中小企業（従業員規模50人以下）をターゲットとしたクラウド型会計ソフトウェアである。取引入力と仕訳の自動化によって会計業務を効率化する。税法改正や消費税の増税には自動アップデートで対応し、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応する。
中小企業向け以外にも、個人事業主向けの「クラウド確定申告」、中堅・上場企業向けの「クラウド会計Plus」、グループ企業向けの「クラウド連結会計」を提供している（関連記事：「マネーフォワード クラウド連結会計」、連結会計用の統一科目をAIでサジェスト）。
画面1：「マネーフォワード クラウド 会計 for GPT」を使って損益状況レポートを生成している画面（出典：マネーフォワード）拡大画像表示
今回、「マネーフォワード クラウド会計」と「マネーフォワード クラウド確定申告」で、OpenAIの生成AIサービス「ChatGPT」とのAPI連携機能を追加した（画面1）。ChatGPTへの問い合わせから、会計データを基にしたレポートを自動生成することができる。
同機能を「マネーフォワード クラウド 会計 for GPT」アプリとしてマーケットプレイス「GPT Store」より提供する。同アプリから、ChatGPTをカスタマイズして作成したツールをGPT Storeで公開できる。
例えば、ユーザーが「今月の損益状況をレポートしてください」といった指示をプロンプトとしてChatGPTに入力すると、財務・経営状況のレポートを自動生成し、改善ポイントを提案する。
ChatGPTとの連携により、「財務データの分析は経営の意思決定に欠かせない一方、全体像を把握するための包括的な分析や精度の高いデータを抽出する作業が、多くの企業にとって負担になっている。また、税理士契約の有無に関わらず、経営相談の際に財務レポートを一から作成するのは大きな手間である」（同社）といった問題に対処する。
マネーフォワードは今後、分析対象を広げ、より高度な財務分析や財務改善提案を可能にする機能の開発を計画している。
