[事例ニュース]

三菱UFJ信託銀行、金融市場取引に関する社内問い合わせへの対応に生成AIを適用

PoCで90%以上の正答率、担当部署の対応時間を50%削減

2024年8月5日(月)IT Leaders編集部

三菱UFJ信託銀行(本社:東京都千代田区)は2024年8月2日、金融市場取引業務に関する社内から専門部署への問い合わせ対応を、生成AIを活用して一部自動化し、2024年4月から業務適用を開始していると発表した。システムの仕様書や業務マニュアルを生成AIに読み込ませる仕組みについて、カサナレと共同でPoCを行い90%以上の正答率を得て、担当部署の対応時間を50%削減することを確認したという。

 三菱UFJ信託銀行は、信託銀行の業務において社内外からの問い合わせ対応にも高度な専門知識が求められ、情報の検索や問い合わせ対応に膨大な時間がかかることから、AIを活用した解決方法を検討していた。

図1:社内の問い合わせ対応を生成AIで省力化した三菱UFJ信託銀行の取り組みの概要(出典:カサナレ)
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 そこで同行は、AIベンダーのカサナレと生成AIを用いた検証を共同で実施。三菱UFJ信託銀行専用のアルゴリズムを開発して、専門的な金融知識、業務知識が求められる問い合わせに対し、システムの仕様書や業務マニュアル、FAQを生成AIに読み込ませることで社内の問い合わせ対応を一部自動化した(図1)。

 PoC(概念検証)では90%以上の正答率を達成し、高度な金融知識が必要になる問い合わせにも正確に対応できることを確認。担当部署の対応時間を50%削減することを確認した。「社内には問い合わせ対応が多くあり、他の領域に広げることができれば年間で数十万時間以上の効率化が見込める」(同行)。 

 検証を経て、従来の方法では対応が困難だった金融機関特有の高難易度情報を適切に処理できることを確認。2024年4月から業務に適用している。

 なお、問い合わせ対応のために整備したデータ群は、問い合わせ対応の自動化だけでなく、今後のAIエージェント構築や新たなユーザー体験の実現にも活用していく予定である。問い合わせ対応の効率化を通じてデータ整備を進め、新たな価値を創造していくとしている。

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