経営コンサルティング会社のクレッシェンドは2024年8月14日、Excelから外部データベースを検索して値をセット可能なサーバーソフトウェア「castanet」を発表した。同年11月1日から提供する。「銀行コードを指定して、銀行名を得る」「日付と地域のデータを指定して、過去の気象情報（最高気温、最低気温、降水量など）を得る」などの用途に使える。動作イメージを確認するための試用環境をクラウドで公開済みである。
クレッシェンドの「castanet（カスタネット）」は、Excelから外部データベースを検索して値をセットすることを可能にするサーバーソフトウェアである。「銀行コードを指定して、銀行名を得る」「日付と地域のデータを指定して、過去の気象情報（最高気温、最低気温、降水量など）を得る」などの用途に使える（図1）。
図1：Excelから外部データベースを検索して値をセット可能なサーバーソフトウェア「castanet（カスタネット）」の概要（出典：クレッシェンド）拡大画像表示
要素技術として、Excel側では、Office 2013より備わる「WEBSERVICE関数」を使う。同関数は、設定したURLにアクセスした結果を得る関数である。通常のURL（Webサイト）にアクセスしてもWebページしか得られないが、castanetのようなWebサービス型のデータベースのURLにアクセスすると、指定したパラメータに応じたデータベース検索結果を得られる。
ExcelからWEBSERVICE関数を介してアクセスするWebデータベースとして、castanetをインストールしたPCをオンプレミス環境などに用意する。castanetはPHPベースのWebサービスで、テーブル形式のデータを指定したキーで検索し、合致したレコードのうち指定したフィールドの値を返す。
クレッシェンドは、castanetにおけるWEBSERVICE関数の具体的なイメージを挙げている。
| =WEBSERVICE("http://castanet.one/TT20_TR.php?KBN=ginko-shiten&Key1=0033,&Key2=819&1&2") |
上記の例では、同社がインターネット上に用意したWebデータベースの試用環境に対して実際にアクセスし、検索対象データとして「銀行-支店名検索」（ginko-shiten）を指定、Key1（銀行コード「0033」）とKey2（支店コード「819」）を渡して検索し、合致したレコードのフィールド1（銀行名「PayPay銀行」）とフィールド2（支店名「アイスクリーム支店」）のデータを得る。
画面1：Excelシートを使ってデータをcastanetに登録する（出典：クレッシェンド）拡大画像表示
データベースは、ユーザー自身が任意のデータを登録可能である（画面1）。Excelシートとしてデータを用意し、これを登録可能である。利用例を以下に挙げている。
- 日付から、祝日、振替休日、会社の休日、公休日などを調べる
- 請求番号から、請求日、金額、内訳、相手先などを調べる
- 社員コードから、社員名、入社日、給与等級、異動履歴などを調べる
- 献立名から、必要材料、分量、総カロリー、栄養情報などを調べる
- 取引先コードから、社名、部署名、住所、連絡先、担当者、銀行支店コードなどを調べる
- 自動車の登録ナンバーから、車種、ドライバー、次回車検日、保険情報などを調べる
- 製造ロット番号をもとに、各工程の製造時情報などを調べる
同社は、2024年11月1日からの提供に先立ち、ユーザー環境の違いにより起こる諸問題に対応するため、castanetの無料モニターの募集を同年8月19日に開始する。Webデータベースの試用環境（銀行名・支店名、気象情報、祝日、食品成分）および試用環境にアクセスするExcelシートのサンプルも公開済みである（画面2）。
画面2：クラウド上に用意したcastanetの試用環境をサンプルExcelシートから利用している様子（出典：クレッシェンド）拡大画像表示
