日本通運を中核とするNXグループの持株会社、NIPPON EXPRESSホールディングス（本社：東京都千代田区）は2024年8月20日、デジタルトランスフォーメーション（DX）人材の教育・育成の取り組みについて発表した。NECの人材育成プログラムを採用し、2024年8月時点で40人がプログラムを修了、2028年度末までに400人の専門人材の育成を目指している。
NIPPON EXPRESSホールディングスは、グローバルな物流の成長と変革に向けたデジタルトランスフォーメーション（DX）を重要な経営課題と位置づけており、その推進・実現の中核を担うDX専門人材の育成に向けて取り組んでいる（図1）。
図1：DX専門人材育成プログラムの概要（出典：NIPPON EXPRESSホールディングス）拡大画像表示
2020年10月からDXの基礎知識教育である「リテラシー教育」を、国内外の合計5万8000人の従業員を対象に実施している。また、2023年10月からはNECと共同で、DXに取り組む専門人材を対象に、事業成長に直結する「専門教育」を推進している。
NXグループでは、DX専門人材を中心として、物流現場におけるAIやロボティクスを活用した人員配置・車両運用・倉庫保管の最適化などのプロジェクトの検討を進めている。NECは、DX推進に必要なデジタル人材育成を支援する「NECアカデミー for DX」のノウハウを基にした育成プログラムをNXグループ向けに開発した。
NECが開発したDX人材育成プログラムは、NECのDXコンサルタントがファシリテーターとなり、実践的トレーニングとDXテーマの可視化・体系化を支援する。育成対象者が実際に関与する現場・事業のテーマを課題として取り扱うことで、DXプロジェクトをリードするために必要な要素であるスキル・考え方・姿勢を体系的かつ実践的に学ぶ。加えて、「DXスキルアセスメント」の活用により、育成対象者の行動特性とスキル成熟度を定量的・客観的に可視化する。
プログラムにはこのほか、集合ワークショップによる学び・気づきの促進、個人でのDX推進テーマの企画構想、DXコンサルタントとの1on1での対話・議論と行動促進などを組み込んでいる。育成対象者同士の横連携と個人に寄り添ったサポートを提供するとしている。
プログラムの最終段階においては、それぞれが推進するDXプロジェクトの企画構想を体系化するとともに、NXグループが実施するDX推進支援制度と組み合わせることで、育成プログラムでの学びをスムーズに実践へとつなげるという。
