エクサウィザーズと同社子会社のExa Enterprise AIは2024年8月22日、小売業向け対話型生成AIサービス「exaBase 生成AI for 店舗」を同年9月から提供すると発表した。店舗を構える業界に特化しており、クレーム対応や外国人顧客への多言語対応など、店舗業務の改善に直結するプロンプトを用意している。
Exa Enterprise AIの「exaBase 生成AI」は、法人向けの対話型生成AIサービスである。生成AI/大規模言語モデル(LLM)にはAzure OpenAI ServiceのChatGPT/GPT各エディションなどを利用する。社内データをナレッジにして回答を生成するRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)構成に対応している(関連記事:「exaBase 生成AI」で複数のLLMを選択可能に、LLM間のプロンプト移行技術を提供予定)。
今回、小売業など店舗を構える業界に特化した「exaBase 生成AI for 店舗」をリリース、2024年9月から提供する。exaBase 生成AIを導入した小売業から得た知見をサービスに反映している。同社によると、exaBase 生成AIを利用する小売業10社における平均業務削減は、月間約3万3000時間(約206人月)に及ぶという。
店舗向けとして、クレーム対応、外国人顧客への多言語対応、マニュアルの確認など、店舗業務の改善に直結するプロンプトを用意する。今後、小売業ユーザーからのフィードバックを基に新たなプロンプトを開発して、有料で提供する予定である。また、セキュリティ面では現場利用を想定し、入力データを学習に利用しないほか、国内限定のデータセンター構成をとる。
「小売業界は人手が不足しており、業務効率の改善策として生成AIの活用が注目されている。当社ユーザーの導入事例やフィードバックから、非正規従業員の教育や外国人顧客向けの多言語対応など、店舗業務特有の課題が見えてきており、これらを解決するプロンプトを提供する」(同社)