スーパーコンピュータ性能ランキングのTOP500は2024年11月19日、ランキング最新版(2024年11月版)を公開した。1位は米ローレンス・リバモア国立研究所とHPEの「El Capitan」(1.742EFLOPS)で、2位の「Frontier」と3位の「Aurora」に続く、エクサスケールに到達した3番目のシステムになった。理化学研究所と富士通の「富岳」(442.01PFLOPS)は6位で、前回の4位から順位を下げている。
スーパーコンピュータ性能ランキングのTOP500(www.top500.org)は、ランキング最新版として2024年11月版(同年11月19日発表)を公開した(画面1)。
1位は米ローレンス・リバモア国立研究所と米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の「El Capitan」(写真1)で、ベンチマーク値は1742PFLOPS(ペタフロップス、毎秒174京2000兆回)である。1742PFLOPSは1.742EFLOPS(エクサフロップス)に相当し、2位の「Frontier」と3位の「Aurora」に続く、エクサスケールに到達した3番目のシステムになった。
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El Capitanは、AMDのCPU/GPUを搭載したシステムである。CPUは第4世代のAMD EPYC(24コア、1.8GHz)、GPUはAMD Instinct MI300Aで、CPU/GPUの合計コア数は1103万9616。ノード間のインターコネクトはCray Slingshot 11を採用。OSはRed Hat Enterprise LinuxをベースにしたTri-Lab Operating System Stack(TOSS)が動作する。
前回(2024年6月)まで5期連続で1位だった米オークリッジ国立研究所のFrontierは2位となったが、ベンチマーク値は前回の1.206EFLOPSから今回の1.353EFLOPSに向上している。同システムは、2022年6月に理化学研究所と富士通の「富岳」に代わって1位になり、その座を維持してきた。
富岳は前回と同じ442.01PFLOPS(毎秒44京2010兆回)で、ランキングは前回の4位から6位に順位を下げている(関連記事:スパコン性能ランキングTOP500の2023年11月版、Frontierの1位続く、富岳は4位に)。
トップ10のうち、3システム(1位、5位、10位)が、2024年構築の新システムに入れ替わっている。1位のEl Capitan、5位のイタリアEni S.p.A.「HPC6」(442.01PFLOPS)、10位のローレンス・リバモア国立研究所「Tuolumne」(208.10PFLOPS)と、いずれもAMDのCPU/GPUを搭載したHPE製システムである。5位のHPC6は現在、欧州で最高性能のシステムとなる。
●Next:HPCG、HPL-MxP、Green500の各ベンチマーク結果
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