グーグル・クラウド・ジャパンは2024年12月17日、説明会を開き、生成AIエージェントサービス「Google Agentspace」について説明した。RAG(検索拡張生成)構成の下、コネクタを介してSharePointやBoxなど複数の情報ソースをナレッジにして検索インデックスを生成し、ユーザーの意図・文脈を汲んで回答する。参照元のコンテンツにはテキストのほか、Office文書やPDF、動画や音声なども利用できる。
米グーグル(Google)の「Google Agentspace」(画面1)は、対話型の生成AIエージェントサービスである。RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)構成の下、各種の情報ソースをナレッジにユーザーの意図・文脈を汲んで回答する。GoogleのWeb検索も併用できる。一般的なベクトル検索だけでなく、ナレッジグラフを用いた検索により、言葉同士の意味の近さを認識することができる。
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SharePointやSlack、Boxなど、複数の情報ソースにコネクタを介して接続。これら情報ソースに存在するコンテンツを定期的に収集して検索インデックスを作成する。参照元のコンテンツにはテキストのほか、Office文書(Word/Excel/PowerPoint)やPDF、動画(YouTube)、音声などを参照させることができる(図1)。
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SherePointのプロジェクトごとに参照可能なユーザーを限定するといった情報ソースへのアクセス権限をコネクタの設定によって制御できる。情報ソースから情報を取り込んでインデックスを作成する段階で、機密情報を排除するフィルタリングなども可能である。
「企業ユーザーの89%は事前に6つ以上の情報ソースから手動で情報を集め、これらをまとめて生成AIに入力し、回答を生成させている」(同社)状況だが、こうした作業を減らすことができる。
グーグルはGoogle Agentspaceを、名称のとおり、人間の代わりに特定の業務をこなすAIエージェントと位置づける。「各種用途に合わせたコンテンツを生成するほか、APIを介して外部システムと連携して後続処理も実行する。例えば、体調が悪いときにAIとチャットし、チャットのやりとりに応じてAIが人事システムを操作して有給休暇を設定するといったことができる」(同社)。
用途ごとに用意されているエージェント以外に、ユーザーみずからが自身の業務を理解した専用エージェントを構築し、組み込むことも可能である。