ヨドコウ桜スタジアム(指定管理者:一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ、大阪市東住吉区)は、エッジAIカメラの実証実験を開始する。スタジアムの来場者数や属性情報をリアルタイムに収集・分析し、運営課題の可視化や改善を行いながら、新たな顧客体験につながる施策を検討する。2025年度内の導入を目指す。実証実験を共同実施する伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が2025年1月17日に発表した。
大阪府大阪市東住吉区にあるヨドコウ桜スタジアム(指定管理者:一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ)は、サッカー、ラグビー、アメフトなどスポーツ関連イベントの年間来場者数が32万人を超える。卒業式や入学式、結婚式などのイベントも年間130件以上開催している。
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今回、スタジアムの入場ゲートにエッジAIカメラを設置して映像を解析する実証実験を開始する。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と共同で実施し、これまで見えなかった課題の可視化・改善により、新たな顧客体験につながる施策の検討につなげる(図1)。
マーケティング施策の検証では、入場者の人数・性別・年代などをリアルタイムに判別してグラフや表で把握し、物販品・フードの品揃えを検討する際の有効性を確認する。また、来場者の視線からサイネージの効果を評価し、広告内容の改善やサイネージの設置場所を検討する。
このほか、混雑や危険な状況をリアルタイムに把握して来場者をケアするといった、運営スタッフの業務効率化や顧客満足度向上のための取り組みも検討する。
エッジAIカメラにIdeinの「ai cast(アイキャスト)」を採用した。デバイス内でリアルタイムにデータをAI処理するカメラで、顔認証のほか、被写体の姿勢・様子から動線を推定する。収集したデータは、プライバシーを配慮して個人情報を含まないテキストデータとしてクラウドに保存する。
CTCは、イベント会場での人流データの可視化や集客分析など、エッジAIカメラを活用したシステム構築の実績を持つ。今回の実証実験では、環境構築や運用支援から専門チームによるデータ活用・開発の支援まで、ヨドコウ桜スタジアムの取り組みをトータルに支援する。