SAP、データ活用基盤「SAP Business Data Cloud」を発表、AIエージェントなどの活用に向けデータ整備/統合を促進

メタデータ管理の「SAPデータプロダクト」などを新たに提供

2025年3月18日(火)日川佳三（IT Leaders編集部）

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SAPジャパンは2025年3月18日、クラウド型データ活用基盤「SAP Business Data Cloud」を発表した。AIエージェントを含むAI活用の本格化に向けて、ユーザー企業にデータ整備/統合を促す。データ統合ツール「SAP Datasphere」やデータ分析ツール「SAP Analytics Cloud」を中核に、メタデータ管理によるデータセットやダッシュボードテンプレート、データレイク「SAP Databricks」などを追加している。

　SAPジャパンは、クラウド型データ活用基盤「SAP Business Data Cloud」を発表した。狙いについて同社は、「例えば、AIエージェント同士がコミュニケーションしながら自律的に働くためには、複数の業務アプリケーションのデータが整合性を保ち、かつAIが理解しやすい形式で揃っている必要がある。そのためのデータ基盤を提供する」と説明している。

図1：「SAP Business Data Cloud」の概要と構成要素（出典：SAPジャパン）
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　SAP Business Data Cloudでは、単にデータを集約してデータを貯めるだけでなく、活用しやすい形でデータを整備する。SAPだけでなく非SAPシステムのデータも統合して管理する仕組みを提供する。データから洞察を得てアクションにつなげるための、事前定義済みのダッシュボードテンプレートも提供する（図1）。

　SAPはこれまでに、データ統合ツール「SAP Datasphere」やデータ分析/BIツール「SAP Analytics Cloud」を提供している。引き続き、これらがBusiness Data Cloudの中核となる。SAP Datasphereで連携・統合したデータをSAP Analytics Cloudで可視化する（関連記事：SAPジャパン、データ統合基盤「SAP Datasphere」をリリース、複数のデータソースを仮想統合）。

　Business Data Cloudでは、これまで提供してきたデータ活用製品群との差分として、大きく3つの機能を追加した。1つ目は、メタデータ管理の「SAPデータプロダクト」を提供する。2つ目は「Insight Apps」と呼ぶ事前定義済みのダッシュボードテンプレートを提供する。3つ目は、データレイクの「SAP Databricks」を提供する。

　SAPデータプロダクトは、テーブルの中身や利用目的が分かる、メタデータ付きのデータセットである。データカタログから欲しいデータを検索しやすくする。また、ビジネスデータ同士の関係を動的にマッピングし、隠れた洞察を発見しやすくする（図2）。