DX推進の前提となる「データマネジメント」:第3回
2025年4月9日(水)藤生 尊史(EYストラテジー・アンド・コンサルティング シニアマネージャー)
デジタルトランスフォーメーション(DX)で成果を上げている企業と、そうでない企業との差はどこにあるのか。仮に「ヒト・モノ・カネ」といった経営資源とビジネスプロセスが同じなら、「データ」を最大限生かすことが競争優位性のカギとなる。本稿では、第4の経営資源であるデータを最大限活用するために不可欠な「データマネジメント」について、データと切り離すことができない「生成AI」を効果的に活用するための強化ポイントと合わせて解説する。

DXの成果はデータ活用レベルに比例
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2024」によると、デジタルトランスフォーメーション(DX)の成果が出ている企業では、全社や事業部門・部署ごとにデータを活用している割合が7割以上であるが、成果が出ていない企業では4割弱にとどまっており、データ活用がDXの成果に大きく影響していることが分かる(図1)。

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また、図2は、生成AIの導入状況の調査結果だが、全社または事業部門・部署ごとにデータを活用している企業では、生成AIの導入も進んでいる。

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生成AIは急速に実用化が進んだが、ビジネスに生かすには必要なデータを適切なタイミングで継続的に利用できることが大前提となる。
●Next:データを競争力に変える「データマネジメント」への取り組み方
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