AI insideは2025年7月29日、RAG/AIエージェント構築サービス「Leapnet(リープネット)」のEA(アーリーアクセス)版を提供開始した。AI機能やAIエージェントをノーコードで開発可能な既存製品(AnyData、Heylixなど)の後継製品にあたる。社内業務の効率化だけでなく、AIで新たな収益源を生み出す用途も想定しており、API利用時間で課金するライセンスを採用した。価格(税別)は、30秒あたり50円。
AI insideの「Leapnet(リープネット)」は、特定の生成AIタスクをこなすAIエージェントをノーコードで構築・運用可能なクラウドサービスである(図1)。画像やテキストなど各型式のファイルをRAG(検索拡張生成)データベースに登録し、これらのデータを参照するAIエージェントと、作成したAIエージェントを他のアプリケーションから利用するためのAPIを、自然言語による指示だけでノーコードで生成する。

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Leapnetは、同社が提供してきた既存製品の後継サービスに該当する(図2)。具体的には、マルチモーダルRAG機能を中核としたノーコード開発ツール「AnyData」と、自然言語でAIエージェントを構築可能なツール「Heylix」の後継製品であり、これらの機能を統合している(関連記事:AI inside、マルチモーダルAI「Heylix」正式版、指示したタスクを生成/予測/画像認識のAIを組み合わせて実行)。

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同社の社長CEOである渡久地択氏(写真1)は、AIエージェントの新たな用途として「新たな収益源を生み出すこと」を想定している。「デジタルトランスフォーメーション(DX)の第1段階は、業務の効率化だった。DXの第2段階は、事業の変革と、新たな収益源の確立だ。AIを提供する段階へ。Leapnetは企業のAI事業も支援する」(渡久地氏)。
ライセンス体系も、AI事業にも適用しやすいように、既存製品から変更している。具体的には、APIの利用時間(処理時間)に応じて課金するライセンスを採用した(30秒につき50円)。RAGデータベースの利用料や開発機能の利用料はかからない。今後は、企業が作成したAIエージェントを購入可能なマーケットプレース機能も用意する予定である。
図3は、Leapnetで構築したAIエージェントの活用イメージである。例えば、製造業では、過去のマニュアルを検索して回答する用途がある。システム構築会社では、ユーザー固有のナレッジをAI化して保守サポートを自動化する用途がある。BPO事業者では、業務をこなすAIをユーザーに提供する用途がある。

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Leapnetで構築したAIエージェントを2025年8月から商材として販売する事業者の例が、Oracle製ERP(統合基幹業務システム)の導入支援サービスを提供している中本・アンド・アソシエイツである。販売するAIサービスの1つが、受注・請求伝票のOCRデータをERPに取り込めるようにAIで補完する「ERP強化AI」である(図4)。取引先の過去のデータを参考にデータを補正可能である。

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