SAPジャパンは2008年12月3日、日本における顧客およびパートナーとのエコシステム(共存共栄関係)を拡張させるため、SAPのコンサルタント、開発者、システム管理者向けのオンラインコミュニティサイトである「SCN(SAP Community Network、エスエイピー・コミュニティ・ネットワーク)」の日本語化と、日本人向けサービスの提供開始を発表した。また同時に、「ビジネスプロセス・エキスパート」育成のためのトレーニングコースおよび認定制度を12月8日から開始し、顧客の視点でビジネスプロセスを定義できるSAP認定コンサルタントの育成を促進すると発表した。
SCNは、以下のコミュニティから構成されている。
- SDN(SAP Developer Network、エスエイピー・ディベロッパー・ネットワーク)コミュニティ:SOA(サービス指向アーキテクチャ)をはじめとするSAPの最新技術情報を共有する場で、製品の技術情報や開発ツール、e-ラーニング教材、評価版などが無償で提供される。
- BPX(Business Process Expert、ビジネスプロセス・エキスパート)コミュニティ:「ビジネスプロセス・エキスパート」のスキル向上および教育関連の情報が掲載されている。ビジネスプロセス・エキスパートは、ソフトウェアツールやエンタープライズサービスを組み合わせ、経営支援のためのビジネスプロセスを設計して全社規模のシステムの構造最適化を行う担当者。
- Business Objects(ビジネスオブジェクツ)コミュニティ:Business Objects製品情報や活用方法などを共有しBI(ビジネスインテリジェンス)についての理解度を深める。
SCNの登録者数は計130万人を超え、日本では3万人以上の登録者数(世界で5番目)を抱えているという。今回、それぞれのコミュニティトップページが日本語化され、情報へアクセスしやすくなった。また、SDNでは、日本の技術者および開発者向けにフォーラム(掲示板)を設置し、SOA、SAP NetWeaver、業界別など9つのトピックについて双方向で議論できる場を提供する。さらにBPXでも、ビジネスプロセス・エキスパートに関する動画や資料を随時日本語で提供していく。
SAPジャパンでは、日本市場におけるSOA推進のため、ビジネスプロセス・エキスパート認定制度を世界に先駆けて開始する。これまで同社では、製品やモジュール、コンポーネントごとの認定制度を開設してきたが、SOA導入の最適な提案ができるビジネスプロセス指向の専門家が求められていた。そこで、ビジネスコンサルタント、アプリケーションコンサルタントや技術者などを対象に、ビジネスプロセス指向で全社規模のシステムの構造最適化を行う上級コンサルタントを育成するため、トレーニング3コースの提供を開始すると同時に、日本語の認定試験の提供も開始する。
同社では、SAP、顧客、そしてパートナーと最新技術についての情報共有や双方向でのフィードバックができる場を積極的に展開していくために、今後も引き続きエコシステムの活性化に努めるとしている。
SAPジャパン
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