日本ヒューレット・パッカード(HP)は2009年3月26日、無停止型サーバーのエントリーモデル「HP Integrity NonStop NS2000サーバー」を発表、3月30日に出荷を開始した。搭載できるプロセサ数やメモリー容量に制限を設けることで価格を抑えた。
ユーザー企業においてITコストの削減に向けた動きが高まる中、同社はメインフレーム並みの信頼性とUNIXサーバー並みの低価格を前面に押し出して、新製品の需要を喚起する。
Integrity NonStopサーバーは、プロセサやメモリーなどの構成部品を多重化して、サーバー自体の可用性を高めた超並列機である。例えば、多重化したプロセサの一方に障害が発生しても、他方が数秒で処理を引き継ぐ。こうした「テイクオーバー」機能によって、障害時にほぼ無停止で処理を継続する。複数台のUNIXサーバーをクラスタ構成にして、サーバー間で処理を引き継ぐ「フェイルオーバー」を実行する場合、一般に数分から数十分かかるという。
日本HPはNS2000に搭載可能なプロセサの数を2〜4個に制限することでサーバー内部のI/O構造を簡素化し、低価格化を図った。その一方で、プロセサにデュアルコアのインテル製「Itanium 9120N」を採用して、従来の最上位機「S88000」に比べ、処理性能を約3倍に高めた。メモリー容量は1プロセサ当たり最大16ギガバイト。内蔵ストレージは最大60テラバイトまで拡張できる。
価格は最小構成で2168万1660円から。日本HPは既存のIntegrity Non Stopサーバーのリプレースに加えて、中小型メインフレームからの乗り換え需要を取り込む考えだ。COBOLプログラムをNonStopサーバー向けに変換するツールの開発も進めており、近く発表する。