富士通は2009年5月12日、新ブレードサーバー「PRIMERGY(プライマジー) BX900」の販売開始を発表した。インテルXeonプロセッサ5500番台を採用し、10U(約45cm)の高さのシャーシにブレードサーバーを最大18枚まで搭載できる。価格(税別)は、「PRIMERGY BX900 S1 シャーシ」が68万円から、「PRIMERGY BX920 S1 サーバブレード」が20万2,000円から。いずれも2009年7月末から提供開始される予定。
「PRIMERGY BX900」は、同社の設計・開発思想「The Dynamic Cube」に基づき開発されたもので、同社によれば以下の4つの特徴を持つ。
1. 動的な電力制御と冷却技術の採用による電力・CO2の削減[Dynamic Power and Cooling]
電源変換時に発生する電力ロスの低減や、ファン回転制御技術などにより、同社の従来機と比較して約40%の省電力化を可能にしている。また、電力上限制御や周囲の環境に応じた自動制御の機能、低風量・低風速の冷却技術など、環境負荷の低減やデータセンター内の空調コストの削減を支援する。
2. 仮想化環境における運用性の向上[Dynamic Virtualization]
最新の「インテルXeonプロセッサ5500番台」を採用し、最大でサーバーブレードを18枚、36CPU(144コア)、1.29 TBのメモリ容量、216本の1ギガビット/秒LANポートを搭載可能。また、仮想化技術との組み合わせにより、入れ替え時期が迫っている5年前の1Uラック型サーバー230台分を「PRIMERGY BX900」の1シャーシに集約できる。
さらに、サーバーの可視化・自動化ソフトウェア「ServerView Resource Coordinator VE」によって仮想環境の動的変化を「見える化」し、サーバー・ストレージ・ネットワークの最新状況をひと目で把握できるようにすることで、リソース最適化やトラブルの迅速な対応が可能になるとのこと。
3.業務継続性の追求[Dynamic High Availability]
シャーシに搭載するコンポーネントはすべて冗長化され、クラスタや、外部のSANストレージからブートするSANブート機能を利用した自動リカバリー運用に対応。また、各コンポーネントはホットスワップに対応しているため、コンピュータの電源を入れたままの保守・交換作業も可能となっている。
4. 次世代を見据えた大容量ミッドプレーン[Dynamic Scalability]
ミッドプレーン(シャーシ内に搭載されたブレードサーバーを接続する通信用の回路基板)に10ギガビットシリアル伝送技術を採用し、6.4テラビット/秒という大容量データ転送を可能にしている。それにより、次世代の40ギガビット/秒イーサネットおよび将来のサーバーブレードの拡張にも対応。今回提供される10ギガビット/秒イーサネットスイッチでは、ワンチップLSIによる小型化・省電力が実現している。
なお、同社のPCサーバーのグローバルビジネス展開において核となるブレードサーバー「PRIMERGY BX900」は、同社と富士通テクノロジー・ソリューションズの設計・品質管理技術により開発されたが、日本国内の顧客に向け、富士通アイソテック(福島県伊達市)で製造し提供していくとのこと。
PRIMERGY 紹介サイト
http://primeserver.fujitsu.com/primergy/