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[市場動向]

【総論】サーバーからストレージ、ネットワークまで、プラットフォーム革新の最新事情

進化するITプラットフォーム Part2

2009年6月11日(木)IT Leaders編集部

サーバー、ストレージ、ネットワークまで、企業情報システムを支えるITプラットフォームの進化が止まらない。PART2では、「統合と拡張」をキーワードに機能強化が進む、プラットフォームの最新動向をまとめる。 (編集部)

全体動向
「統合と拡張」に向け新製品が相次ぐ

ITプラットフォームを構成するサーバーとストレージ、ネットワークが、ある方向に向かって一斉に進化している。その方向とは「統合と拡張」だ。

進化を支えるのは、ITプラットフォームのあらゆる領域に浸透しつつある「仮想化技術」。企業内に散在するサーバーやストレージ、ネットワーク機器を適切な形で統合可能にし、拡張性も担保する。それによってシステム資源の使用効率や可用性を高め、IT投資コスト削減を可能にする─そんなアプローチである。

行きつく先には、プラットフォームの構成を特段意識することなく、必要な時に必要なだけの資源を調達できる「インターナルクラウド」、あるいは「クラウドコンピューティング」を見据えている(図2-1)。

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日本におけるITインフラ技術のハイプ・サイクル
図2-1 日本におけるITインフラ技術のハイプ・サイクル:2009年(出典:ガートナー ジャパン 2009年3月19日)

まずサーバー。2009年3月から4月にかけて、日本IBM、日本ヒューレット・パッカード(HP)、デルという外資系大手、日立製作所、富士通、NECの国産大手などが、相次ぎブレードサーバーの新製品を発表した。インテル製の最新プロセサ「Xeon5500シリーズ」を採用し、搭載可能なメモリー容量を増やしたなど性能の高さが共通点。だが、それ以上に「仮想化によるシステム統合、結果としてのITコストの削減」が共通のうたい文句だ。

実際、それが現実的かどうかはさておき、インテルは「2005年に導入したシングルコアXeonサーバー184台を、仮想化技術によりXeon 5500番台搭載サーバー21台に集約できる。電力や冷却コスト、ソフトのライセンス費用などの削減により、8カ月で投資を回収できる」と強調する。

ストレージシステムも、新製品が相次ぐ分野である。システム設計時の容量設計をほぼ不要にする「シンプロビジョニング」という機能を搭載した製品や圧縮・重複排除により実効容量を高められる製品、多数のサーバーから共有でき、システム全体の効率性や拡張性を高められる大規模製品などだ。

ネットワーク機器も同様。ファイアウオールや侵入検知、ルーターといった機能を1台の機器に搭載し、必要に応じてそれらの機能の一部、あるいは組み合わせを提供する製品や、複数の機器を束ねて冗長性を高める製品などが登場している。F5ネットワークスジャパンが4月に発表したネットワーク機器「BIG-IP 8900」を例にすると、負荷分散、Web高速化、セキュリティという3機能を1台の機器上で稼働できる。1台で複数の通信経路を構成し、個別にポリシーを設定する機能もある。個別の機器を用意するのに比べると、ネットワーク構成の柔軟性や耐障害性、管理性の向上、あるいは設置スペースと電力消費の低減に有効なのは自明だろう。

背景
高まるITコスト抑制ニーズ、先進ユーザーは成果を手に

ベンダー各社が「統合と拡張」という同じ方向にプラットフォームの機能を強化し始めた背景には、いくつかの要因がある。

第1が経済環境の変化だ。2008年秋以降、景況感が一気に低下し、ITコスト削減に対するユーザー企業の要望が強まっている。仮想化技術を駆使してプラットフォームを統合できれば、資源の使用効率を高められる。機器設置スペースの縮小や電力コストの低減も可能だ。それによりITコストの7割を占めると言われる運用コストを圧縮し、新システムなど戦略的な分野への投資を増やしたいという企業の思いは強い。

もう1つは、複雑化したシステムである。サーバーやストレージだけでなく、それらを接続するネットワーク機器も分散するようになり、システムを安定稼働させる難易度が高まった。サーバーを1台増設することを考えても、ストレージシステムへの接続や、冗長構成にした複数のスイッチへの接続など、多くの設定が必要だ。

仮に設定を誤れば、一部の機器の動作不良が原因で、システム全体の障害に発展する可能性がある。経済産業省の「高度情報化社会における情報システム・ソフトウェアの信頼性及びセキュリティに関する研究会」の報告書によると、システム障害の70%が運用における問題だという。

ユーザー企業側の要請とベンダー各社の動きが同調したのは、結果論かもしれない。だがサーバーとストレージ、ネットワークが進化の方向を1つにしていることが、ユーザー企業にとってメリットをもたらすことに違いはない。そうした点を見越して、いち早くプラットフォームの改革に乗り出した企業の代表例が、[node:879,title="Part1"]で紹介した大和証券である。

本誌2009年4月号で紹介した富士フイルムも、サーバーやストレージを含む、プラットフォーム全体の大掛かりな改革プロジェクトを推進中だ。会計や販売など基幹業務アプリケーションのサーバー約440台を、2008年6月から段階的に4台のブレードサーバーに統合。プロセサの処理能力や、メモリーやディスクの容量を仮想化して、各種アプリケーションの要求性能や処理量に応じて配分できるようにした。その結果、「従来は20%程度だったプロセサとメモリーの使用率が80%に高まった」(富士フイルムコンピューターシステム・ システム事業部ITインフラ部の柴田英樹部長)という。

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