日本HPは2009年6月16日、データセンター向けサーバー「HP ProLiant SL6000 Scalable System」を発表した。台数を増やすことで全体の処理能力を高める「スケールアウト」用途を想定した製品で、「HP ProLiantサーバー」シリーズとして7年ぶりの新ラインナップとなる。
ProLiant SL6000は、2Uサイズのシャーシ「HP ProLiant z6000 G6」に、「トレイ」と呼ぶ1Uサイズのサーバーユニットを2基まで収納できる。トレイは用途に応じて3タイプから選べる。
具体的には、2ノードを実装する高密度タイプ「HP ProLiant SL2x170z G6」、1ノードで3.5インチのHDDを6基搭載(最大容量6TB)するストレージ重視タイプ「HP ProLiant SL170z G6」、1ノードで18基のメモリースロット(最大容量144GB)を搭載し、PCI Expressスロットも2基備える拡張性重視タイプ「HP ProLiant SL160z G6」だ。高速な計算処理性能を必要とするHPC(High Performance Computing)、アクセス数に応じた拡張性を重視するWebシステムなど、目的に沿った構成を選べる。
省電力や冷却性能においても工夫を凝らした。シャーシに搭載する電源ユニットと冷却ファンをトレイと共有する機構を採用し、全体での電力消費と冷却性能の効率を高めた。LANなどのインタフェースを手前に配置し、シャーシの前面からケーブルを取り付けられるようにするなど、メンテナンス性にも配慮した。
価格は、メモリーやI/Oの拡張性を重視したトレイ「HP ProLiant SL160z G6」を搭載したモデルが30万7650円。プロセサにインテル「Xeon E5504」を、メモリーの搭載容量は1GB、SATAディスクを160GB搭載した場合の価格となる。