マイクロソフトのクライアントPC向けOS「Windows7」が、今年10月22日に発売となる。Windows XP(一般向けリリースは2001年11月)、Windows Vista(同2007年1月)に続く最新版であり、Windowsが世に登場してから、大きく言って7世代目と位置付けられる。
起動時間の短縮、パフォーマンスや操作性の改善、全体的な軽量化などを特徴としている新OS。企業にとっては、社員が使うPCの標準OSとしてどのタイミングで本格採用するかは悩みどころだ。これまでのPC導入サイクルや業務システムとの相性、IT予算などをバランスさせて総合的に判断する必要がある。
では企業は現在、クライアントPCのOSとして、具体的に何を採用しているのだろうか。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2009」の結果を参考にしてみよう。
この調査は2008年10〜11月に実施したものだが、それによるとビジネス用途の主流はまだWindows XPである。有効回答795社のうち、XPの社内への導入割合が「80%以上」とした企業が全体の7割を占めた。「100%」、つまり全クライアントのOSがXPであるとの回答は22%に達している。調査時点で最も新しいVistaの状況はどうかというと、導入割合が「0%」、すなわち1台もないとする回答が58%。これに「20%未満」とする企業を加えると、全体の96%となり、Vistaが企業になかなか浸透していない状況を示している。
日頃の取材の中で、企業のIT担当者にVista導入に消極的な理由を尋ねてみると、「リソースを食う割には動作が重い」「比較的安定して動作するXPで特段の不満を感じない」など様々な回答が返ってくる。とはいえ、XPのサポートがいつまでも続くとは考えにくく、早晩、乗り換えは必至となるだろう。
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