日本電気(NEC)は2009年10月8日、クラウド・コンピューティングを支える次世代IT基盤に向けたITプラットフォーム製品の開発指針および製品強化計画を策定し、「REAL IT PLATFORM Generation2」として発表した。同社が2006年7月に発表した、ITプラットフォームビジョン「REAL IT PLATFORM」をさらに進化させ、今後、クラウドコンピューティングによって変化する企業のビジネスニーズに的確に対応していくことを目的としたもの。
同社が「REAL IT PLATFORM Generation2」で強化する領域は以下のとおり。
- 高効率インフラストラクチャ:電力効率や利用効率の高いサーバー、ストレージ、ネットワークと、データセンター全体の省電力が可能なファシリティから構成されたIT基盤を提供。
- サービス実行基盤:既存のアプリケーションからクラウド環境への移行、新規のクラウドサービスの構築と提供を迅速に行う。
- システムサービス管理:クラウド指向サービスの実行状況とそれを支える高効率インフラストラクチャの可視化および制御を行い、安定したサービスを支援する。
同社は製品強化計画の第一弾として、「システムサービス管理」領域を強化する、システム性能分析ソフトウェア製品「WebSAM Invariant Analyzer」(ウェブサム・インバリアント・アナライザ)の販売を開始する。
同製品は、同社の統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」をバージョンアップ(Ver.8)し、その中核製品として、障害解析/対応の迅速化を支援するシステム性能分析ソフトウェア。同社の独自分析技術により平常時に学習・モデル化したシステムの「性能情報間に存在する不変関係(Invariant)」の崩れから、エラーメッセージとして現れない性能劣化(サイレント障害)の検知・原因の特定を可能とする。性能劣化の原因究明および対策に要する時間を、同社試算で最大90%短縮可能とのこと。
製品の概要と販売価格(税別)は、以下のとおり。2009年10月20日より出荷開始を予定している。
「WebSAM Invariant Analyzer For Windows」:1,000万円
マネージャ(分析エンジン)+管理コンソール+カウンタライセンス(5000カウンタ)
(カウンタは、Invariant Analyzerで分析を行う対象の性能要素で、CPU使用率・メモリ使用量・ディスク使用量など)
「WebSAM Invariant Analyzer 1000カウンタ追加ライセンス」:50万円
追加分のカウンタライセンス(1000カウンタ)追加ごとに必要
また、データセンターのネットワークを効率化する「プログラマブルフロー・スイッチ」および「プログラマブルフロー・コントローラ」を2010年度末に製品化する予定。
なお、「WebSAM Invariant Analyzer」および「プログラマブルフロー・スイッチ/コントローラ」は、11月5日、6日に東京国際フォーラムで開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2009」に展示予定とのこと。
「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2009」
http://www.nec.co.jp/uf-iexpo/
「REAL IT PLATFORM Generation2」の詳細について
http://www.nec.co.jp/realit/
「WebSAM Invariant Analyzer」の詳細について
http://www.nec.co.jp/WebSAM/Invariant_Analyzer/