住商情報システム(SCS)は2009年12月21日、同社のデータセンター「netXDC」において、仮想ネットワークサービスの提供を開始すると発表した。ルータ、ファイアウォール、ロードバランサ、専用ネットワークなどの環境をユーザー自ら準備しなくても、「必要なときに必要なだけ」オンデマンドサービスとしてネットワークを利用できるというもの。同サービスでは、各ユーザー専用の独立したネットワークによって、高度なセキュリティレベルの確保が可能となる。
同社によれば、経営環境の変化や技術革新により、企業の情報システム部門では現在、以下のような要望が顕在化している。
- ビジネスニーズに柔軟かつ俊敏に対応できるIT基盤
- 個人情報保護、内部統制に対応する情報資産のセキュリティ強化
- 分散や肥大化したハードウェア資産の統合によるTCO削減
netXDCではすでに2001年から、広域高速回線を介して複数のセンターを仮想的に1つのセンターとして運営し、システムの設置場所に左右されない、拡張性を持つサービスを提供している。今回は、ネットワーク仮想化技術を応用し、柔軟性と俊敏性を兼ね備えたデータセンターネットワークを実現可能としている。
サービスの主な特徴は、以下のとおり。
1. インフラサービスと専用ネットワークをオンデマンドで提供
- ネットワーク機器(ルータ、ファイアウォール、ロードバランサ)、バックアップ、セキュリティ対策などの機能をオンデマンドサービスとして提供。
- 複数のセンターに分散したシステムをユーザーごとに独立した専用ネットワークで接続。
2. プライベートクラウド環境に対応
- 社内やグループ内を対象としたプライベートクラウド環境の構築に要求される、複数センター間の動的な仮想マシン(ライブマイグレーション)に対応。
- サーバー仮想化技術を応用したディザスタリカバリサイト(DRサイト)構築を可能にする。
netXDCでは、これらのデータセンターネットワークをベースにすでに「クラウド基盤サービス」として提供している。今回提供を開始する仮想化ネットワークサービスにおけるデータセンターネットワークでは、CiscoのNexusシリーズを採用するなど、ネットワーク構成の柔軟性と冗長性に配慮したシステムになっている。構築作業は、Cisco製品の導入実績を多く持つデータクラフトジャパンが協力し、短期間での導入が可能となった。
データクラフト(アジア)
http://www.datacraft-asia.com
データクラフト(日本)
http://www.datacraft-japan.co.jp
「クラウド基盤サービス」
http://www.scs.co.jp/news/pdf/20090616_1.pdf
住商情報システム
http://www.scs.co.jp/