社団法人企業情報化協会(通称:IT協会)は、平成21年度の「IT賞」受賞企業を発表した。これは、ITを活用した経営革新に顕著な努力を払い、優れた成果を上げたと認め得る企業(あるいは自治体、機関、事業所、部門、個人)に対して、毎年授与しているもの。2010年2月16日(火)に開催する「第25回IT戦略総合大会(ITMC 2010)」(東京都港区、虎ノ門パストラル)のオープニングセッションで、表彰式と記念講演を行う。
「IT総合賞」には、三井住友銀行が選出された。評価対象は、次世代型銀行営業店システム「CUTE」を活用した営業店業務の変革である。銀行の営業店システムは従来、勘定処理を中心とするものが多かったが、CUTEでは銀行窓口における顧客サービス向上を基軸に改革に取り組んだ。事務作業の的確なナビゲーション、顧客による書類記入の大幅削減などの機能を新システムに盛り込み、合理化と顧客サービス向上の両立を実現している。
「ITマネジメント賞」は、協和発酵キリンと富士フイルムコンピューターシステムの2社がそれぞれ受賞。協和発酵キリンは、クラウド時代を見据えた情報システムアーキテクチャの整備が評価された。具体的には、「エンタープライズHub」と呼ぶ機構を用意し、自社独自開発のシステム/業務パッケージソフト/SaaS/アウトソーシングサービスなどすべてのトランザクションをHubを介して実行する。これにより、データの品質を維持しつつ、システム連携にかかわる余計な開発投資を不要にした。一方の富士フイルムコンピューターシステムは、サーバーの統合/仮想化による運用コスト削減で、グループ企業全般の事業再構築に迅速に応えた取り組みが評価された。
そのほか「ITフロンティア賞」には札幌ドーム(チケットレス入場認証システムの構築)、「IT特別賞」には小島プレス工業(次世代企業間連係システム-SaaS型共通EDI-の構築)が選ばれた。
各賞の詳細は IT協会のWebサイトに掲載されている。