Web CMS(コンテンツ管理システム)を手がけるジゾン(2018年6月1日に社名をハートコアに変更)は2010年4月27日、同社製CMS「ハートコア(HeartCore)」の新ラインアップとして、中小企業向けに機能と価格を抑えた製品を提供することを発表した。価格(予価)はCPUソケットあたり39万8000円(税別)、サポート料は年間3~5万円程度。2010年10月1日に販売を開始する。
新製品の名称は「HeartCoreLite(仮称)」。既存の上位製品と比較して、承認ワークフローなど大企業向けに特化した機能を省いた。また、ユーザーインタフェースを簡略化し、開発の自由度を制限する一方で、使いやすさを高めた。さらに、稼働環境を省略し、LAMP環境などOSS系に限った(Java版とPHP版の2種類を用意。OSはLinux。DBMSはMySQLまたはPostgreSQL)。
マルチプラットフォームで動作
上位製品を含めたHeartCoreファミリー全般の特徴は、競合製品と比べて動作プラットフォームが豊富なこと。今回発表したHeartCoreLiteではJava版とPHP版の2種類の実装、既存の上位製品ではJava、PHP、.NETの3種類の実装を用意している。上位製品ではさらに、OSSだけでなく、例えばHP-UXとOracleなどのように、商用のプラットフォーム環境で利用できる。
機能面での特徴としてジゾンは、検索エンジンに入力したキー・ワードに応じて表示コンテンツを制御するLPO(着地ページ最適化)機能を標準で搭載する点や、SEO対策の自動化(仕組みは非公開)などを挙げる。このほか、SNS機能やブログ機能など、イントラネットの社員ポータルや会員制サイトの運営に向いた機能を備える。
上位製品の2010年4月末時点での国内導入社数は101社。用途は、導入企業の6割が企業ホーム・ページなどの外向けサイト、3割がイントラネット(社員ポータル)、1割がECサイト。開発は、CMSエンジンを開発した英Asbru Softwareとジゾンの共同開発となる。
上位製品の価格は以下の通り。通常版の「HeartCore Professional」は、CPUソケットあたり250万円(税別)。SOAP連携機能を備えるなど基幹システムとの連携を考慮した「HeartCore Enterprise」は、CPUソケットあたり400万円(税別)。サポート料はいずれも1年あたりライセンス費用の18%。
なお、今後は、上位製品のマルチテナント型ライセンス「HeartCoreホスティングEdition」も用意する。ホスティング事業者向けのソフトウエア・ライセンスとして提供するほか、将来的にはジゾンみずからがホスティング事業(SaaS型CMSサービス事業)を提供する。