NECは2010年6月23日、ホテルの宿泊予約システムや顧客管理システムなど、ホテルビジネスを支える様々な業務システムや、デジタルサイネージ、音声サービス(PBX)などの付加価値サービスをメニュー化しネットワーク経由で提供する「ホテル総合クラウドサービス」を商品化し、同日より販売活動を開始した。サービス提供は2011年1月から開始される予定。
「ホテル総合クラウドサービス」は、これまでホテルが、個別に保有していたホテルIT全体を、NECの保有するデータセンター内で管理し、各ホテルへSaaS型で提供するもの。これによりホテルでは、新規でサーバーなどを購入し、個別にシステム構築を行う必要がなくなる。
同社は、同サービスの導入により、各ホテルは、個別のシステム構築に比べ、約30%の投資削減が可能になると試算する。さらに、システムの保守・運用管理業務が不要となるため、本業であるホテル利用者へのホスピタリティの向上に専念し、ホテルの競争力アップに注力することが可能となるとしている。
同サービスは、以下の3つから構成される。
- 宿泊システムやなどの業務システム「NEHOPS」
宿泊予約システム、宴会システム、顧客管理システムなど、各種業務システムをサービス提供。 - デジタルサイネージサービス「PanelDirector」
イベント案内や、レストランメニューの紹介、また、ニュースや天気予報などの情報コンテンツを、ホテル内外に設置したパネルに表示。
「NEHOPS」の宴会システムと連携し、宴席案内、行灯案内などをタイムリーに表示。 - ホテルのIP電話システムのサービス提供
「NEHOPS」と連携し、顧客システムの情報から、宿泊客の属性に応じたエステやマッサージなどのサービス案内をIP対応多機能電話機のディスプレイ上に表示することや、電話機のタッチパネル式ディスプレイ上で、エクスプレスチェックアウトを行うことなどが可能。
同社は、今後さらにホテルの電力や空調システムなどの監視制御を行う環境ソリューションや、セキュリティに関するサービス提供など、サービスメニューの拡充を図り、市場の伸びが期待される中華圏への展開も含め、今後5年間で2000ホテルへのサービス提供を目指す。