日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、世界規模で企業活動を展開する企業向けに、人、プロセス、システムといった企業競争力を強化し、「真に統合されたグローバル企業」への変革を支援するためのサービス「IBM Global One - A Unified Global Instance of SAP」(IBM Global One)を発表し、2010年7月8日より提供開始した。
発表によれば従来、グローバルで活躍する多くの企業は、各拠点に権限を委譲する多国籍化を推進してきたが、業務プロセスやビジネスルール、価値観などの違いによって標準化が難しく、人、プロセス、システムといった経営資源を明確なガバナンス(企業統治)の下で統合し、地球規模で需要予測、供給管理、最適生産などを実現することが求められている。
同社では、目指すべき企業像として、事業や地域を横断して経営資源を統合・最適化する「真に統合されたグローバル企業(GIE:Globally Integrated Enterprise)」を提唱。同社自身もGIEを目指して企業変革を続け、全世界規模でパッケージ活用型の業務改革に取り組んでいるところから、それらで得たスキルや知識を「IBM Global One」サービスの提供に生かしていく。
IBM Global Oneでは、「真に統合されたグローバル企業」の実現に必要な5つの変革領域として、以下を定義している。
- ガバナンス:事業戦略の方向性と集中すべき領域の明確化、経営のコミットメントを担保し、全社レベルでの変革を推進
- ピープル:グローバルレベルでの人財とスキルの育成と活用
- プロセス:組織や事業を超えた共通プロセスの設計と、最適化されたビジネスプロセスによる「見える化」の実現
- プラットフォーム:ユーザーの役割(所属している国、所属組織、ロール等)ごとに必要なプロセス・情報を提供するプラットフォームの提供
- テクノロジー:各国、各事業体に散在しているSAPクライアント、インスタンスの統合をするためのアプローチと導入方法、および最適なネットワーク、ハードウェアの提供
同社では、これらすべての領域における変革を、同社がグローバルで確立しているチェンジ・マネジメント・メソドロジーに基づき総合的に支援する。戦略策定のためのコンサルティングからシステム構築・運用までをIBM Global Oneで一貫して提供し、同サービスのための専任体制を確立して推進していく。