多様なクラウドサービスが続々と登場しているが、実際にはどういった企業がどんな用途で活用しているのか。今年に入って明らかになった主要なクラウド導入事例を表にまとめた。
主にグループウェアやメールなどの情報系システムをクラウドに移行する企業が目立つ。中でもパナソニックは、グループ企業やパートナーなどを含め約30万人を対象にグローバルで「IBM LotusLive」を採用。メールのほか、Web会議やファイル共有を関連企業間で利用できるようにした。
内田洋行も全従業員2000人が使うグループウェアにマイクロソフトの「Microsoft Business Productivity Online Suite」を採用した。これまでは部署単位で試験的に導入するケースが多かったが、今年に入り大手企業が全社規模で本格導入するケースが増えている。
業界特有の専門性の高いアプリケーションをクラウドで利用する事例もある。三菱重工業は製品に含まれる化学物質の管理に、第一三共や協和発酵キリンは新薬に関する情報管理にクラウドを活用する。
これらは主に社内外との情報伝達業務の効率化を目的にしているが、システムの運用コスト削減や管理者の作業負荷軽減といったメリットも見逃せない。
システムリソース調達としてのクラウド利用に視点を移すと、Webサイトのシステム基盤に活かす動きが活発だ。必要なときだけリソースを迅速に調達できることから、キャンペーン期間などWebサイトへの一時的なアクセス集中に柔軟に対応できる。野村不動産や千趣会は、こうした長所を理由にクラウドを採用した。
ニュースリリースなどで発表されることはないが、IT部門が短期プロジェクトにおける開発/テスト用のサーバー調達手段としてクラウドを利用する例も着実に増えているようだ。
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