TISは2010年11月10日、企業向けクラウドサービス(PaaS/IaaS)「TIS Enterprise Ondemand Service」(ティアイエス エンタープライズ オンデマンド サービス)に「ロードバランササービス」と「ネットワークストレージサービス」のIaaS領域のメニューを拡充すると同時に、サービスをより簡易に利用するためのポータルサイト機能の強化を実施したことを発表した。
また、大規模かつ長期利用のシステムを支えるクラウドサービスとして、新たな利用メニュー「企業向け長期・大口割引プラン」を用意した。さらに「心斎橋gDC(ジーディーシー)」での同サービスの提供も開始し、将来的には東京のデータセンターとの連携による遠隔バックアップにも対応するとしている。
今回追加・拡張されたサービスメニューの詳細は次のとおり。
- 「ロードバランササービス」
Zeus Technology社製のソフトウェア・ロードバランサのライセンスと、ロードバランサ専用の仮想マシンを、サービスとして1カ月単位から提供する。これまでは企業の要件に応じて個々にロードバランサの手配や構築に対応していたが、同サービスによりユーザーは個別調達のコストを軽減でき、ポータルからの簡単な申請だけでロードバランサがすぐに利用できるようになった。また、大量のトラフィックに対する負荷分散機能を実現し、大規模システムにおいても初期投資を抑えてスタートできる。同サービスは、使用帯域やSSLアクセラレータ機能など、用途に合わせたモデルを用意し、要望に応じたロードバランサの設定の支援も実施する。最小モデルの利用料金は、2万1900円/月~。 - 「ネットワークストレージサービス」
大容量のストレージを、ネットワークストレージサービスとして1カ月単位、1GBあたり 40円/月という価格で提供する。将来、大容量のデータ保管が必要となる場合でも、同サービスを利用すれば小規模からの段階的な拡張が可能である。 - ポータルサイト機能の強化
ポータルサイトから利用設定できる範囲を拡張して、ファイアウォールの設定やセグメント追加、利用モデルの変更などの各種設定をポータルサイト経由で実施し、即時反映させることができる。今回の機能強化で「TIS Enterprise Ondemand Service」のほぼ全てのサービスの設定を、ポータルサイトから操作することができる。この設定は最短で30分程度で反映される。 - 心斎橋gDCでのサービス開始
TISが保有する関西地域における最新型データセンター心斎橋gDCで、「TIS Enterprise Ondemand Service」を利用できる。ポータルサイトから利用するデータセンターとして、東京第3センターまたは心斎橋gDCを選択できる。また、2011年4月に開業予定の「GDC御殿山」でのサービス提供も予定されており、今後物理環境とクラウドのハイブリッド構成にも対応する予定。また、遠隔地バックアップサービスなど企業のBCPを支援するメニューも展開していく。 - 「企業向け長期・大口割引プラン」の設定
一般的には大規模かつ長期間にクラウドサービスを利用する場合、物理サーバを自社で購入し運用する場合に比べてトータルコストが割高になると考えられている。そこで、1年以上の利用に適用される長期割引や一定台数以上かつ一定期間以上での利用の場合の大口割引のプランを設定。これにより、最大20%の割引が適用可能となる。
「TIS Enterprise Ondemand Service」
http://www.tis.jp/service_solution/paas/index.html