日本ヒューレット・パッカードは2010年12月14日、1Uラックマウント型サーバーの置き換えに適した高密度実装のラックマウント型サーバー新機種「HP ProLiant DL2000」を販売開始した。既存製品であるDL1000の上位機種に当たる。サービス事業者など、1Uラックマウント型サーバーを大量に運用している企業に向く。2011年1月中旬に出荷する。価格は、サーバー4台搭載時に99万9600円(税込)から。
DL2000およびDL1000の特徴は、メモリー搭載量やI/Oバスなどにおいて、1Uラックマウント型サーバーと同等のスペックを持った汎用PCサーバー機を、2Uきょう体に4台(または2台)搭載する点。これにより、1台あたり0.5Uの占有体積でありながら、拡張性やメンテナンス(サーバー交換)などにおいて、既存の1Uラックマウント型サーバーと同等の使い方ができる。
データ・センターにおけるラックあたりの電源容量を規定値以下に抑える機能として、シャーシあたりの電力容量の上限を設定する電力制御機能も備える。突発的に負荷が上がった際でも、性能を低く抑えることで、強制的に負荷を一定に保つことができる。これにより、ラックにすき間なくDL2000/DL1000を搭載しつつ、ラックあたりの電力容量が規定値を超えないように運用する、といったことが可能になる。
今回販売を開始したDL2000は、既存機種のDL1000と比べて、CPU性能を高めたほか、シャーシに搭載するディスク・ストレージの選択肢を広げ、2.5インチ大のディスクを利用できるようにした。
メモリー、I/O、ディスクの拡張性を確保
DL2000のスペックの詳細は、以下の通り。
専用シャーシにサーバー・ユニット「DL170e G6」を搭載する。DL170e G6は、I/O拡張性の違いに応じて、高さ1U(体積0.5U、4台搭載)のユニットと、高さ2U(体積1U、2台搭載)のユニットを用意。ユーザーは「1U×4ノード」または「2U×2ノード」のいずれかのパッケージを購入する。
DL170e G6単体のスペックは、メモリー・スロット×16(最大192Gバイト)、Intel Xeon 5600(6コア)×2ソケット。I/Oバス拡張用のライザー・カードを1枚搭載できる。1Uの機種は、I/O拡張用カードとしてPCI Express(x16)×1が標準で付属。2Uの機種は、3種類のライザー・カードのいずれか1枚を選択して利用する(1枚のライザー・カードの上で、PCI Express(x8)×3など、最大3つのPCIスロットを利用可能)。
ディスクはホット・プラグ可能で、(a)3.5インチSATA/SAS×8基、(b)2.5インチSATA/SAS×16基、(c)2.5インチSATA/SAS×24基、の3種類のうちいずれかを選ぶ。仮に、2U×2ノードとディスク24基を組み合わせた場合は、サーバー1台あたり12基のディスクが割り当てられる。
価格は、1U×4ノードの場合に99万9600円(税込)から、2U×2ノードの場合に63万4200円(税込)から。
なお、サーバー・ラインアップ中におけるDL2000およびDL1000の位置づけは、サーバー1台あたりの拡張性や性能などにおいて、1Uラックマウント型サーバーと同等である。ハイエンドを指向している上位機種にはブレード・サーバー「BladeSyatem」が位置し、大規模スケール・アウトを指向している下位機種には「SL6000 Scalable System」が位置する。
サービス事業者向けOSS支援サービスもパッケージ化
DL2000の販売開始に合わせ、サービス事業者向けのオープンソース支援サービスも、2010年12月14日に提供を開始した。サービス名称は「オープンソース・エキスパート・サービス for サービスプロバイダー」で、同社が2009年9月から提供しているOSS支援サービスをサービス事業者向けにパッケージしなおしたサービス製品という位置づけ。
同サービスは、Linux/FreeBSDや各種Javaフレームワーク、DBMSなど、Webアプリケーション構築用の主要なOSSについて、導入、開発、障害対応までを支援するサービス。メールや電話による問い合わせに対する支援を中心に、場合によってはオンサイト支援も実施する。価格は、問い合わせに対応するエンジニアの作業時間180時間が付いて年額367万5000円(税込)から。