シマンテックは2011年3月30日、大企業向けデータ・バックアップ・ソフトの新版「Symantec NetBackup 7.1」(日本語版)を発表した。2011年4月5日に出荷する。新版では、よりVMwareとの親和性を高め、仮想サーバーを対象としたバックアップの効率を高めた。参考価格は、62万円(税別)から。開発会社は、米Symantec。
NetBackupは、比較的大規模なネットワーク環境を対象とした、エージェント・サーバー型のデータ・バックアップ・ソフト。主要モジュールは3つで、(1)バックアップ対象の業務サーバー、(2)バックアップ媒体(テープやストレージ)を接続したサーバー、(3)スケジュール管理サーバーで構成する。
仮想化により、バックアップ性能を高めている。例えば、VMware vStorage APIなどの、サーバー仮想化ソフトが備えるデータ・バックアップ支援機構を利用し、仮想サーバーにかかる負荷を軽減させられる。また、バックアップ先となるメディア・サーバーやストレージ群を共通プール化して、バックアップ負荷を分散させられる。
新版では、サーバー仮想化ソフトとの連携を強化し、バックアップ処理負荷を仮想環境全体に均一に分散できるようにした。例えば、vCenterから情報を得て仮想環境全体の構成や負荷状況などを把握した上で、仮想サーバー・イメージをストレージ間で移動させるStorage VMotionの挙動を自動的に検知し、バックアップ対象データのありかや負荷状況などを常時把握できるようにした。
新版ではまた、Linuxを格納した仮想サーバー・イメージ(VMDK形式)において、サーバー・イメージから直接、ファイルやフォルダを検索してリストアできるようにした。なお、これまでもWindowsベースの仮想サーバー・イメージにおいて、同様のことができていた。
なお、同社は、大企業向けのNetBackupのほかに、中小企業向けでWindows上で動作するBackup Execを用意している。いずれのソフトも、米Symantecが買収した米VERITAS Softwareの製品ラインである。両ソフトともに、エージェント側での重複排除機能などを利用できる。