[海外動向]
最新技術でデータの大規模化と複雑性を克服、米テラデータはDWH新版「14」を発表
2011年11月2日(水)IT Leaders編集部
2011年10月初旬、米カリフォルニア州サンディエゴで、米Teradataのユーザーカンファレンスが開催された。今年のテーマは「複雑性の克服」。基調講演や事例セッション、展示会の模様を報告する。
Conquer Complexity=Bigdataをはじめとするデータの大規模・複雑化を、最新の情報技術で克服せよ─。この言葉をメインテーマに掲げた米Teradataの年次ユーザーカンファレンス、「PARTNERS」が10月2日〜6日、米サンディエゴで開催された。データ資産をマネタイズ(収益化)するのも、もう1つの重要なテーマだ(写真1)。
参加者数は3000人超。4万5000人が参加した同時期開催のOracle Open Worldとは比較にならないが、ことデータ分析・活用の領域では米Teradataが強みを発揮。OracleやIBMなどとの競合が厳しさを増す中で、順調に新規ユーザーを獲得している。ユナイテッド航空やサブウェイなどがその例だ。リーマンショックを超える経済危機にもかかわらず、いや、だからこそ欧米企業はデータの高度活用に力を注いでいると言っていいだろう。
基調講演
「複雑さは、チャンスである」
「企業を取り巻く状況は複雑性を増している。それをネガティブに捉える向きが多いが、ポジティブに捉えれば大きな機会とチャンスが広がる」。基調講演は、カンファレンスの実行委員長を務めたエリン・レッドショウ氏(Loblaw社のETL担当上級マネジャー)の言葉から始まった。
日本ではなじみがないLoblaw社だが、従業員13万6000人、1000の店舗を擁するカナダ最大の小売チェーンだ。「SAPリテールの世界最大級のユーザーである当社では以前、情報のサイロが乱立し、社員は事務作業の多さに圧倒されていた。今、DWHで正確なデータを管理、意思決定できる環境を整えつつある。我々は2011年を”データの年”と位置づけ、顧客ロイヤリティプログラムや比較ショッピングへの対応、ソーシャルマーケティングやターゲットマーケティングを実践していく。鍵になるのは複雑性への対処であり、これは一朝一夕に解決できない。1つひとつを着実に実践することが必要だ。それを今回のカンファレンスでつかんでほしい」(同氏)。
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