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高さ約45センチのシャーシにXeon64個を搭載した高集積サーバーをラインナップに追加

2012年2月28日(火)

米SeaMicro社は2月14日、4コアXeonプロセサ64個を搭載した「SM10000-XE」を発表した。これは、2010年6月から販売しているAtomベースの省電力・省スペース型サーバーの、Xeon版である。共同創立者でプロダクトマネージメント&マーケティング担当バイスプレジデントのアニール・ラオ氏と、ハードウェア技術担当バイスプレジデントのディラジ・マーリック氏に、新製品のターゲットや特徴を聞いた。

-2010年6月以来、Atomプロセサを搭載した省電力サーバー「SM10000」「SM10000-64」「SM10000-64HD」とラインナップを拡充してきた。これら従来製品のなかで、SM10000-XEの位置づけは。

マーリック氏:Atomベースの製品が対象としているのは、WebサーバーやHadoopといった大量トランザクション処理を求められる領域。これに対してXeonを搭載する今回の新製品は、高速演算処理に向く。具体的には、大規模Webアプリケーションやデータベースだ。

-日本における販売代理店であるネットワンシステムズの思惑は若干異なるようだ。同社は、今回の新製品を大規模Webアプリケーションや仮想デスクトップといった用途に訴求。その一方で、DB用途には引き続きシスコシステムズ製のサーバーを売っていくとしている。

ラオ氏:問題ない。というか、当社にとってはむしろ歓迎すべきことと考えている。DBサーバーより、大規模Webアプリケーションサーバー市場のほうがはるかに大きい。

-では、新製品の特徴をお聞きする。

マーリック氏:最大の特徴は、消費電力を低く抑えられること。従来の2分の1に削減できる。

-省電力タイプのプロセサを搭載するから?

マーリック氏:それもあるが、当社が擁する最新技術により、ハードウェア機構を簡素化したことが大きい。具体的には、ストレージやネットワークのI/Oを仮想化する独自ASICにより、SATAやイーサネットのポートを不要にした。マザーボードを構成する部品はプロセサとチップセット、メモリー、独自ASICだけ。部品を減らした分、消費電力を削減できるというわけだ。このほか、独自ASICは使用していないプロセサとチップセットの動作を停止する機能を備える。

ラオ氏:部品を減らしたことは、省スペース性にも寄与している。マザーボード1枚の大きさは28㎝×13㎝。新製品は、この小型マザーボードを10U(高さ約45センチ)のシャーシに最大64枚搭載する。これは、同程度の性能を持つ従来のサーバーに比べて3倍の密度に相当する。

-つまり、設置スペースを3分の1に削減できる、と。28㎝×13㎝というと、A4サイズより小さい。

ラオ氏:財布を取り出せば、ポケットに入れて持ち歩ける(笑)。というのは冗談だが、客先での商談に持っていくのは本当だ。実物を見せると説得力が増す。

-省電力、省スペースであることは分かった。肝心の性能面はどうか。アプリケーションサーバーの性能は、ネットワーク帯域が左右することが多い。

マーリック氏:すべてのマザーボード間を10ギガビット/秒という広帯域で接続している。「Freedom SuperCompute Fabric」と呼ぶインターコネクト技術で実現した。品質に厳しい日本企業の期待を越える水準にあると自負している。

-今後のロードマップをお聞きしたい。ここ2年、6カ月ごとに新製品をリリースしてきた。このペースを維持していくのか。

マーリック氏:顧客企業へのヒアリングを重ねた結果、新しいタイプのワークロードが生まれていることが分かった。背景には、クラウド化の進展がある。そこで、新たなニーズに応える製品の開発をすでに進行中だ。時期を含めた詳細はまだお話しできないが、期待してほしい。

米SeaMicroの共同創立者でプロダクトマネージメント&マーケティング担当バイスプレジデントのアニール・ラオ氏(右)と、ハードウェア技術担当バイスプレジデントのディラジ・マーリック氏(左)

米SeaMicroの共同創立者でプロダクトマネージメント&マーケティング担当バイスプレジデントのアニール・ラオ氏(右)と、ハードウェア技術担当バイスプレジデントのディラジ・マーリック氏(左)


【追記】米AMDは2012年2月29日(米国時間)、SeaMicroを買収すると発表した。買収金額は約3億3400万ドル。SeaMicro製のハードにAMD製のOpteronプロセッサを搭載したサーバーを、2012年後半にも投入することを計画中という。

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