日本マイクロソフトは2012年3月23日、RDBMS「Microsoft SQL Server 2012」の発売日と価格を発表した。企業向けボリュームライセンスを4月1日、パッケージ製品を5月18日に販売開始する。樋口泰行社長は「SQL Serverの新規導入件数は(オラクルを抑えて)国内1位であるものの、売り上げは2位。それだけ低価格であるということだが、売り上げベースでもトップを目指したい」と、同社にとって約2年ぶりのDBサーバー新版に賭ける意気込みを語る。
目玉となる新機能は「カラム ストア インデックス」「AlwaysOn」「Power View」の3つ。「カラム ストア インデックス」は、行単位に加えて列単位でデータを読み取ることで、大量のデータを高速に処理する機能である。
「AlwaysOn」は、プライマリサーバー上のDBを、物理的に離れた拠点に設置した待機系サーバーに4つまで複製。プライマリサーバーに障害が発生した際、数秒で他拠点のDBにフェールオーバーする機能だ。一方、通常時は待機系を読み取り処理に利用することで、負荷を分散できるメリットもある。
このほか、SilverlightベースのBIツールを標準搭載する。「Power View」がそれで、DB上のデータをブラウザ上で集計・分析し、表やグラフの形で視覚化できる。分析結果をPowerPointにエクスポートし、PowerPointのスライド上でさらに分析を加えることも可能。
これら新機能に加えて、パブリッククラウド向けDBである「Microsoft SQL Azure」とコードベースを共通化した。これにより、「導入企業はオンプレミスとクラウド環境に分散するDBの運用管理を簡素化できるほか、アプリケーション開発環境を統一できる」(梅田成二サーバープラットフォームビジネス本部長)。
SQL Server 2012の製品候補版を先行導入し、本番稼働させている企業名も明らかになった。ガンホー・オンライン・エンターテイメント、コニカミノルタビジネステクノロジーズ、すてきナイスグループ、ソフトバンクモバイル、名古屋銀行、ピップ、三井物産である。
新製品のライセンス価格は、「Enterprise」「Business Intelligence」「Standard」の3種類。Enterpriseは2コアあたり167万3200円から、Business Intelligenceは1サーバーあたり104万5000円から。Standardは2コアあたり43万6400円から、あるいは1サーバーあたり10万9200円からと2種類のライセンスを用意する。サーバーライセンスの場合、別途クライアント用ライセンスを購入する必要がある。