日本HPは2012年4月16日、x86サーバー向けの新サポート体系「Always On Support Services」を発表した。先月29日に発表した、x86サーバーの新製品群「HP ProLiant Gen8」のリリースを受けたもの。
障害を事前に回避するための複数のサービスを追加し、4つのグループに再編した。(1)従来型の障害対応サービスを中心とした「ファウンデーションケア」、(2)トラブル回避に主眼を置いたサービス群「プロアクティブケア」、(3)大規模システム向けにカスタマイズしたサポートを提供する「データセンターケア」(近日発表予定)、(4)IT戦略立案や構築、運用を支援する「ライフサイクルイベントサポート」で構成する。以下、詳細を発表したファウンデーションケアとプロアクティブケアの概要を紹介する。
ファウンデーションケア
「ハードウェアオンサイト」「ソフトウェアサポート」などの既存サービスに、新しく「コラボサポート」を加えたグループ。コラボサポートは、HP ProLiantサーバーで稼働するソフトウェアの障害に対応するサービスである。同サーバーを使ったシステムの障害について、ハードウェア、ソフトウェアの切り分けを行わず、HPに一次対応を依頼できるようにした。HPは利用者からの依頼を受けて、問題の切り分けを実施。ハードウェアが原因の場合はHPが対応し、ソフトウェアが原因の場合は開発元に引き継ぐ。
サポートを購入していないなどの理由で、開発元に対応を引き継げない場合は、切り分けプロセスで判明した情報を利用者に提供する。Windows、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterprise Server、VMwareの4製品についてはHP自身が一次対応も行う。OEMサポートでノウハウを蓄積しており、問題の95%を解決できるという。
プロアクティブケア
障害の事前回避と事後対応を組み合わせたサポートサービス。ファウンデーションケアの内容に加えて、システムが抱える潜在的なリスクを排除するためのサービスを提供する。
たとえば、年2回実施するリビジョンの検査では、顧客のシステムを構成するファームウェアとソフトウェアを調べ、セキュリティや不具合などのリスクを抱えたリビジョンを使っていないかチェックする。問題を抱えたリビジョンが見つかった場合は、ファームウェアやソフトウェアの依存関係を踏まえて、安定稼働を維持するためのアップデート計画を提案する。
その他、ハードウェアやネットワークの健康状態を診断する「プロアクティブスキャン(年2回実施)」や、過去の障害の原因や傾向を分析し、改善策を提案する「インシデントレポート(年4回実施)」などのサービスを含む。各サービスの情報収集には、サーバーの障害を検知し、HPに通知する監視ツール「HP Insight Remote Support」を用いる。
提供開始に合わせてプロアクティブケア専門窓口「アドバンストソリューションセンター」を2011年5月に立ち上げる。仮想化されたシステム環境に精通するエキスパートを揃え、昨今、複雑化するインフラに対応する。