「これからの1年はWindowsを再創造する1年だ。(再創造を実現することは)マイクロソフトにも、今日、集まってもらった日本のパートナー企業にもメリットをもたらす。それを可能にするのがWindows8だ。パートナーの皆さんに申し上げたいのは、革新的なハードウェアやアプリケーションを開発してほしいこと。日本は世界の3大IT市場の1つだが(そこにとどまるのではなく)、世界各地に輸出することを期待している」。
日本マイクロソフトは2012年5月21日、ビジネスパートナーに向けた「Windows Partner Executive Summit」を開催。その場で米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、集まった国内のハードやソフトメーカーに対し上記のように強調した。

アップルやグーグルの攻勢を受けて、スマートデバイス分野では今のところ劣勢に立たされるマイクロソフト。だがアップルやサムスン電子、HTCなどに押されっぱなしの、日本のハード/ソフトメーカーも事情は同じ。そこでWindows8を軸に反転攻勢に出ようという呼びかけだ。あえて「世界への輸出」に言及したのも、「リスクを避けて国内向けの製品を開発していては勝負にならない」という危機感の表れと言っていい。
そこまで言うだけあって、マイクロソフトはWindows8の完成度に強い自信を持っているようだ。「Windows8は、タブレットからラップトップまで様々なタイプのマシンで動く。スクリーンサイズやプロセサ性能に差があっても、高速かつなめらかな操作ができるし、タッチスクリーンはもとより、ペンもキーボードも使える。何かを選んだとき、何かを犠牲にするトレードオフをしなくてもいいのが利点」(バルマーCEO)。

もちろん起動の早さも数秒と、問題ないレベル。WindowsPhoneにも共通する「メトロ(Metro)ユーザーインタフェース」は、iPhoneやアンドロイドのそれに比べると一見地味だが、アプリケーション同士の連携がスムースだったり、立ち上げていない時の情報更新も自動化していたりする。例えば、電源がオフでも自動的にネットに接続してメールやインスタントメッセージをチェックするといったことだ。
バルマーCEOの講演の途中で行われたデモを見る限り、後出しだけあって総じてよく考えられている印象である。「6月10日にリリースプレビュー版を提供し、今年後半には製品が登場する。アプリを配布するWindowsStoreも皆さんにはチャンスになる。MSの歴史上、最大規模の総額20億ドルをかけて宣伝告知する計画もある」(バルマーCEO)。
バルマーCEOはWindows8を補完し、その活用を拡大するために力を入れる技術領域にも言及した。1つが機械学習やビッグデータの活用。音声認識や言語理解の領域だ。第2がハードウェアのフォームファクタ(互換性確保のための規格)とユーザーインタフェース。第3がSkyDriveを初めとするクラウド活用。もう一つが、無料コミュニケーション手段のSkypeである。「Skype買収の理由をよく聞かれるが、一言で言えばコミュニケーションに関わるイノベーションだ。対面で話すのと同じ効果を、バーチャルで実現する」(同)。

となると問題は、Windows8を搭載したハードの完成度やアプリケーションの充実度。バルマーCEOは「(iPadのシェアを見る限り)特に日本ではパートナーのおかげでWindowsは強い。しかしバッテリ問題や軽量化など課題も多い。(パートナーには)期待している」、「日本は品質や生産性で優れる。しかし世界と戦うにはイノベーションが必要なことも確かだ。それをやり遂げてほしい」などと語り、期待感を示した。
最後に「我々はWindows8(搭載機)を初年度に3億5000万台出荷できると考えている。この数字は競合をしのぐ。パートナーの皆さんはこれを前提に(ビジネスを計画)してほしい」と締めくくった。日本のメーカーが、これに応えられるかどうか。Windows8に対しては企業ユーザーの期待も高いだけに、日本のハード/ソフト・メーカーの奮起が望まれる。
- 業務システム 2027年4月強制適用へ待ったなし、施行迫る「新リース会計基準」対応の勘所【IT Leaders特別編集版】
- 生成AI/AIエージェント 成否のカギは「データ基盤」に─生成AI時代のデータマネジメント【IT Leaders特別編集号】
- フィジカルAI AI/ロボット─Society 5.0に向けた社会実装が広がる【DIGITAL X/IT Leaders特別編集号】
- メールセキュリティ 導入のみならず運用時の“ポリシー上げ”が肝心[DMARC導入&運用の極意]【IT Leaders特別編集号】
- ゼロトラスト戦略 ランサムウェア、AI詐欺…最新脅威に抗するデジタル免疫力を![前提のゼロトラスト、不断のサイバーハイジーン]【IT Leaders特別編集号】
-
VDIの導入コストを抑制! コストコンシャスなエンタープライズクラスの仮想デスクトップ「Parallels RAS」とは
-
AI時代の“基幹インフラ”へ──NEC・NOT A HOTEL・DeNAが語るZoomを核にしたコミュニケーション変革とAI活用法
-
加速するZoomの進化、エージェント型AIでコミュニケーションの全領域を変革─「Zoom主催リアルイベント Zoomtopia On the Road Japan」レポート
-
14年ぶりに到来したチャンスをどう活かす?企業価値向上とセキュリティ強化・運用効率化をもたらす自社だけの“ドメイン”とは
-
-
-
-
生成AIからAgentic AIへ―HCLSoftware CRO Rajiv Shesh氏に聞く、企業価値創造の課題に応える「X-D-Oフレームワーク」
-
-
-
「プラグアンドゲイン・アプローチ」がプロセス変革のゲームチェンジャー。業務プロセスの持続的な改善を後押しする「SAP Signavio」
-
BPMとプロセスマイニングで継続的なプロセス改善を行う仕組みを構築、NTTデータ イントラマートがすすめる変革のアプローチ
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-



