米IBMは、シンガポールで開催中のカンファレンス「InterConnect2012 」において、データ処理に焦点を合わせたPureSystemの新製品を発表した。
PureData System for Transactions、同Analitics、同Operational Analiticsの3機種がある。いずれもIBMのデータベース製品「DB2」を搭載し、仮想化などのソフトウエアレイヤーを使わないようにしてデータベースのパフォーマンスを追求したのが特徴だ。日本でも10月10日に発表する。
3機種のうち、PureData System for Transactionsは流通業やクレジットカード業など、トランザクション処理量の増加に直面する企業向け。DBサーバーとして動作し「100台分のサーバーのDBを1台に集約可能だ。DBサーバーの管理コストの低減や、パフォーマンスチューニングを最適化できる」(同社)。アクセスの多いデータとそうでないデータを、自動的に再配置し、処理を高速化する機能も備える。ハードウェア面では内部のデバイスの接続の高速化、SSDの活用、さらにソフトウェアのチューニングにより、「オラクルのExadataより高速」という。
同Analiticsは、買収したデータ分析専用のアプライアンス「Netezza」の技術を取り込み、マッシブパラレル処理により、多量のデータの高速分析を可能にした。取り込んだというより、NetezzaそのものにPureSystemに必要なサーバー機能を追加した構成であり、Netezzaの後継版と位置づけるのが正しい。「高度な分析モデルも組み込んでいるので、簡単に複雑な解析が可能。大規模分析へのニーズはあるが、ITコストを下げる必要のある顧客に提供する」(同社)。
もう一つの同Operational Analiticsはデータ処理時に分析も実行。ルールなどを適用して必要な処理をする用途向けの製品だ。CEP(複雑なイベント処理)専用システムと言える。主要なソフトウェアコンポーネントはトランザクション処理向けDBのDB2と、分析用のInfosphereである。「数千の処理要求を同時に受け付けることができる」(同社)ことから、クレジットカードの不正利用検出や、電力・交通などのリアルタイム監視用途を想定する。