日本マイクロソフトは2013年4月17日、同社のクラウドサービス「Windows Azure」において、IaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)となる「インフラストラクチャ サービス」の正式運用を開始したと発表した。マイクロソフト製以外のミドルウエアなどを利用した既存システムやパッケージソフトなどのクラウド環境への移行をうながしていく。
インフラストラクチャ サービスで提供するのは、「Windows Azure仮想マシン」や「同仮想ネットワーク」など。仮想マシンとしては、Windows Serverのほかに、UbuntuやSUSE Linux、CentOSなどのLinux環境も用意する。マイクロソフトの仮想化技術Hyper-Vをベースにすることで、オンプレミスのHyper-V上で動作している仮想ディスクのイメージファイルであるVHDをそのまま移行できる。
正式運用にあたり、メモリーを多用するアプリケーション用途の仮想サーバーを投入した。4コアでメモリー容量が28GBのインスタンスと、8コアで同56GBのインスタンスである。
仮想ネットワークとしては、Windows Azure上でVPN(仮想私設網)環境を提供する。企業内ネットワークとゲートウエイ接続することで、ハイブリッドな環境を利用できる。
IaaSのSLA(サービスレベル契約)は、仮想マシンが99.95%、仮想ネットワークが99.9%である。
Windows Azureの一部料金を引き下げた。Linuxインスタンスを約25%値下げし時間当たり料金を4.99円にしたほか、従来のPaaS環境では約33%値下げし時間当たり料金を6.65円にした。日本マイクロソフト クラウドプラットフォーム製品部の吉川顕太郎部長は、「CPU、ストレージ、ネットワークといったコモディティ領域では料金面でも負けることはない」と、Azureの価格競争力を強調した。
インフラストラクチャ サービスはこれまでも試験運用されており、パートナー企業によるサービス開発を促している。4月時点でシステムインテグレータやパッケージベンダーなど45社がインフラストラクチャ サービスへの対応を表明している。Window Azure専用のパートナー支援策である「Azure Circleパートナー」も23社が参加しているという。

Windows Azureの最新状況を説明する日本マイクロソフト クラウドプラットフォーム製品部の吉川顕太郎部長
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