自動車や産業機器、工場のラインと情報システムを接続し、M2Mシステムを構成するのは簡単なようで難しい。産業用の機械や機器のコンピュータの制御や通信は、多くの場合、一般のIT機器と異なるからだ。ではどんな方法で接続すればいいか?
そんな需要に応える製品の1つが、村田機械が8月に発売する「CANバイスサーバCDS-1150」だ(写真)。自動車や産業機械、製造ラインなど向けの通信規格「CAN(Control Area Network)」のデータをTCP/IPに変換し、LANやWi-Fi経由で情報を取り出せるようにする。いわゆるIT機器、通信機器とは異なるジャンルの製品だが、ITリーダーの方々にも知っておいてほしい。
CANは自動車車載機器向けに、1980年代に開発された通信プロトコル。高い耐障害性を備えるため、現在では産業機器や工場のラインなど条件が良くない場所にある制御機器、あるいは信頼性を要求されるロボットや医療機器、船舶などで広く利用されている。CDS-1150により、こうしたCANベースのネットワークの通信を一般のパソコンやサーバーモニタリングしたり、タブレットやスマートフォンから直接アクセスしたりできるようになる。同社としては、M2M(IoT)などへの関心が高まる中、その需要を取り込む狙いがある。
CDS-1150は有線、無線のLANに対応するほか、CANプロトコルによる無線通信も可能。関連会社のムラテック販売経由を経由して、8万9800円(サンプル1個あたりの価格)で販売する。カスタマイズや組み込みも受け付ける。
【写真】村田機械が8月に発売する「CANバイスサーバCDS-1150」