クラウド関連サービスを手がけるクリエーションラインは2013年8月12日、プライベートクラウドを構築するのに必要なハードウェアとソフトウェアに構築支援サービスを組み合わせたアプライアンス型の製品「CLouds Box(クラウズボックス)」を発表した。中小規模のプライベートクラウドを最短4週間で立ち上げられるという。
クリエーションラインの「CLouds Box」が提供するのは、プライベートなIaaS(Infrastructure as a Service)基盤。OSSのクラウド管理ツールCloudStackの商用版である米シトリックス・システムズ製の「Citrix CloudPlatform powered by Apache CloudStack」を米デル製のラック型サーバー「Dell PowerEdge R620」上で動作させる。
システムは、マネジメントサーバー×1台、コンピューティングノード×2台、NFS ストレージノード×1台、および管理ネットワーク用イッチ×1台からなる(図1)。20の仮想マシンを稼働させるための構成で、小規模のプライベートクラウ ドを構築したい企業や、パブリッククラウドの一部をプライベート環境に移行したい企業などでの利用を想定している。
図1:CLouds boxのシステム構成
対応するサーバー仮想化ソフトウェア(ハイパーバイザー)は、XenServer、VMware vSphere、KVMなどで、標準開発言語は、Javaである。標準外部APIとして、CloudStack独自のAPIを提供し、RESTとAmazon EC2に接続できる。複数ユーザー間でネットワークを隔離してセキュリティを確保する仕組みや、ファイアウォール、負荷分散などの機能も用意する。
クリエーションラインは、クラウド構築・運用の標準化などに取り組む「OSCA(オープンスタンダードクラウドアソシエーション)に参加している。CLouds Box では、OSCAでの共同検証結果を踏まえ、動作確認したハード/ソフト構成で提供する。運用中のCloudStackの障害に対しても、クリエーションラインの技術者が日本語で対応するという。
今後は、クリエーションラインが代理店販売する、クラウドのコンフィグレーション管理システム の「Chef」や、自社開発したCloudStack 運用支援アプリケーションの「CL@FT:クラフト」と連携させるほか、2013年7月30日に発表したスケールアウト型NAS「Amage:アマージ」を使った構成での提供を予定している。
CLouds Boxの価格は、598万円(税抜き)から。9月2日から出荷する。