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「個々の業種業態に特化したERPを提供する」 インフォアジャパン、事業戦略説明会を開催

2013年8月19日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

海外拠点の情報システムをどう整備するかは、グローバル展開する企業にとって重要なテーマである。そうしたニーズに対応しようとするベンダーの1社が、中堅から準大手クラスの製造業向けのERP製品を提供するインフォアジャパンだ。

「ERP市場を創造的に破壊(Disrupt)する」

 ところで、ここまでInfor10xを1つの製品であるかのように書いてきたが、Infor10xは複数のパッケージのブランド名&共通プラットフォームであり、この名前の製品は存在しない。実際にはERPだけでも

・Infor10x LN(組立製造業向け、かつてのBaan)

・Infor10x LX(組立およびプロセス製造業向け、かつてのBPCS)

・Infor10x SyteLine(より小規模な製造業向け)

・Infor10x M3(製造・流通・保守する企業向け、かつてのLawson)」

 ──といった製品がある。ほかに設備資産管理、サブライチェーン管理(S&OP)、顧客関係管理、財務管理、人材管理、データ分析、情報共有/コラボレーション、開発ツールなど、10を超える業務パッケージ(またはモジュール)もある。

 これほどたくさんある理由は、BaanやBPCSのように一世を風靡した製品、あるいは特徴を持った製品ベンダーの買収・統合を重ねてきたのがInforだからだ(写真3)。成り立ちは結構複雑で、例えば2011年に買収した米Lawson Softwareは、それ以前にスウェーデンのSCM/CRMベンダーだったIntentiaを買収している。

 となると、全く別個に開発されたソフトの寄せ集めがInforと言えるし、実際、そうだった。しかし今ではインフォアはシステム連携のミドルウェア「ION」を開発・提供しており、「ワークスペース」と呼ぶ共通ユーザーインタフェースも提供するなどして、マイクロバーティカル戦略に沿った製品を提供できるようにしている。

 そうした製品戦略や開発方針が明確になったのは、2010年と最近のことだ。「米Oracleで企業アプリケーションを手がけてきたチャールズ・フィリップスが2010年、CEOに就任。SAPとオラクルの製品ポートフォリオを徹底的に評価しました。その上で自社を”ERP市場を創造的に破壊(Disrupt)するスタートアップ企業”と定義し、Lawsonソフトウェアの買収やSalesforce.comとの提携(Force.com上でのSaaS版の提供)などを含め、インターネットのアーキテクチャを基本に製品を強化してきました」(ティム・モイラン氏)。「インターネットのアーキテクチャ」とは自在な連携であり、HTML5であり、どれかのモジュールが停止しても他に影響を与えない耐障害性だという。

 「こうした製品戦略が奏功し、昨年には他のERPベンダーが横ばいか微増に留まる中で、新規ライセンスは17%増と高い数字を達成しました。顧客数は3000社増加し、SaaS版のユーザーも300万になっています」(同)。

 しかし買収を繰り返し、製品名を変えてきた結果として、日本における存在感や認知度は決して高いとはいえない状況だ。尾羽沢社長も「インフォアのブランド力はまだ弱い」と認める。「インフォア全社の売上げに占める日本の割合は3%程度に過ぎません。これをもっと高め、世界各国のインフォアの現地法人の中で日本をトップ5に入るようにするのが目標です」。

 米インフォアの売上高は28億ドル、社員数は1万2400人の社員、800社のパートナー企業と194ヵ国7万社の顧客を持つ。日本法人の社員数は200人、全体の2%弱でしかない。そこで販売戦略面では、パートナー企業との協業を再整備し、間接販売比率を高める計画だ。この7月には、新日鉄住金ソリューションズとInfor SyteLineの販売で提携した。同社はクラウド基盤「absonne」上でのInfor SyteLineの提供も計画している。

 尾羽沢社長は「引き合いは増えていますが、当社だけでは対応し切れません。特に海外展開する企業に向けてパートナーとの協業を進め、早期に間接比率を50%以上にしたいと考えていますし、そのために投資します」と言い切る。業種特化も徹底する。「製造業に向けたソリューション、中でも生産管理にフォーカスします。具体的には自動車部品やファッション、食品・飲料などです。そこに向けてInfor10x LNやInfor SyteLine、それにEAM(設備資産管理)を提供します」(同)。

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