米シトリックス・システムズの日本法人は2013年8月28日、東京・霞ヶ関にある本社オフィス内に、同社製品で実現できるモバイル・ワークスタイルをデモするための施設「エグゼクティブ ブリーフィング センター」を開設した。米国内2カ所とインド、仏に続く5カ所目の施設で、共通のコンセプトに沿ってデザインされているという。同社が実施しているフリーアドレス制のオフィス環境と合わせて、モバイル環境を使った新しい働き方を提案していく。
エグゼクティブ ブリーフィング センター(EBC)は、シトリックス・システムズのデスクトップ仮想化環境に接続された各種デバイスの実演コーナーと、ビデオ会議システムを備えたブリーフィングルームなどからなっている(写真1)。デモを担当するCDO(チーフデモオフィサー)を置き、シトリックスのビジョンや製品戦略、ロードマップなどを世界で同等のプレゼンテーションを実施する。日本の初代CDOには小田学氏が就いた。
日本法人のマイケル・キング社長は、「当社は、モバイルワークスタイルを実現可能にするためのクラウドソリューションカンパニーであり、エンドツーエンドをカバーする製品群を持っている。技術革新がもたらす新しい働き方を理解するには、“百聞は一見にしかず”で体験してもらうのが一番だ」とし、EBC開設に期待を寄せる(写真2)。
海外ではEBC開設により、「2013年度第1・第2四半期に約6億ドル分の収益向上につながった。2014年度は20%増を期待している」(EBC米本社のコーポレートコミュニケーション担当バイスプレジデントであるデイビット・ジョーンズ氏)という。
記者陣を対象にしたデモには、米本社のエグゼクティブエンゲージメントシニアディレクターでCDOであるブラッド・ピーターソン氏が登壇(写真3)。「XenDesktop」を使って、WindowsパソコンとMac、iPad、Android搭載端末の間で、仮想デスクトップ環境がシームレスに引き継げることや、「XenMobile」によって、BYOD(Bring Your Own Device)を想定したiPhoneに対して企業内で利用を認められたアプリケーションをオンラインで導入したり、センターから削除したりできることを見せた。
EBC開設と併せて、東京オフィスでは、トレーニングセンターやコンピテンシーセンターもリニューアルした(写真4)。トレーニングセンターでは、演習用の端末としてWebカメラを搭載する「Wyseシンクライアント」を配置し、XenDesktopを使った仮想化環境下で、必要なコースプログラムを必要時に提供するオンデマンド型で教育を実施する。今後は、リモートでのオンライン教育の展開を検討する。
コンピテンシーセンターでは、シトリックスのソリューションと、ソリューションパートナー企業やアライアンスパートナー企業が持つソリューションの相互稼働環境を検証する。主に仮想化やクラウド化を進めた際に、カード認証のための読み取り装置やプリンタといった物理デバイスの接続・動作検証などに利用されるという。
EBCの利用対象は顧客企業やパートナー企業で、完全招待制で運用する。